よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・依頼先について

工務店VSハウスメーカー、その対立は無意味です

地元の小さな工務店さんと仕事をしていると、

打倒!大手ハウスメーカー!

っていうような社長さんがいらっしゃいます。

大手ハウスメーカーを目の敵にしているというか「あんな家づくりは・・・」って反発してるというか。

うーん、それは同じ「家」をつくる同じ業界の人間としてどうかなぁと思いますけどね。

大手ハウスメーカーと小さな工務店では、家をつくるコンセンプトや工程がまるで違います。

全国チェーンのレストランと町の洋食屋さん、どちらがおいしいかって、そこはそれぞれのおいしさがありますよね。

どちらもお客様においしい食事を提供したい、と思っているはずです。それが、多くの場所で同じ品質のものを効率よくなのか、こじんまりと自分のこだわりを貫いて提供したいか、やり方と手段が違うだけです。

料理でも家でも、どういう価値観の人に向けてどういう質のものを提供したいか、提供する側はそれを考えて提供しています。それは対立するようなものではありません。

大手ハウスメーカーは同じ質のものをたくさん提供するという目標をもっています、均一の質を確保するというのは現場で職人がひとつひとつ作業する工務店の家づくりでは難しい側面があります。それを叶えてるのが大手の工業化された家づくりでもあります。

その変わり、自由に選べる部分が少なかったりどこも似たようなデザインになり個性が薄れたり、対応する人の知識が専門的でなくマニュアルに沿ったもので人間関係が希薄かもしれません。

どっちがいいとかどっちが悪いという考えで対立するようなことではなく、いい家をつくるという同じ目標を持ち違うやり方でそこを目指しているだけのことです。

選ぶ側のあなたは、まずは自分がどういう価値観を持ってどういう家を「いい家」とするか、よく考えることです。

ハンバーグ食べたい、となった時、みんなでワイワイにぎやかに食べたい時もあれば、ちょっと落ち着いた雰囲気でこだわりのハンバーグを食べたい時もありませんか。

食べ物なら今日はここ明日はここ、って変えることができますが。家はそうはいきません。

工務店か大手ハウスメーカーか、って迷ってるのは自分のことをわかっていない証拠です。だって同じ土俵にのるようなものじゃないから。

工務店、ハウスメーカーの情報収集の前に、まずはあなたがどういう価値観をもちあなたなりの「いい家」を頭に思い描くことが必要です。

そして、どこに依頼しようがきちんとチェックできるように知識を持つことです。

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工務店との契約前、契約後、いずれもOK。私、佐藤百世に設計を依頼しなくてもOK。
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提案された間取りについて本当にこれでいいのか、2社までしぼったけどどう決めたらいいのか、間取りはいいけどデザインがイマイチでどう要望をつたえたらいいのか、などなど。
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嘘はないけど住宅会社によってこんなに言うことは違います

いくつかの工務店と仕事していてよく思うのが、会社によって気にするところが本当にマチマチだということです。

ある会社から、○○についてよくお客様から聞かれるので詳しく教えて欲しい、と言われるけど他のところでは全然触れることもないとか。

ある会社ではかなり細かく図面をつくる部分が、他の会社では最低レベルでしかも下請け業者さんに丸投げとか。

つきあいのある工務店のベテラン営業さんに、「ほかのところだと○○についてお客さんからよく質問されるって言われるけど、そんなことないですか」って聞くと「その話題にならないように話す」っていう、ベテランらしい答えが返ってきました。

私の知っているどの会社も、決して質の悪い低価格住宅をつくっているわけではありません。

嘘もごまかしも手抜きも法律違反もないけれど、予算内の労力でおわる効率を求めて作る側の都合で考えた「いい家」をつくってるってことです。

なので、会社によって細かく説明する部分も違うし、これで大丈夫ですよっていうレベルも違うし、これが標準です、っていうレベルが違うんです。

家づくりのすべてのこと、家そのものの性能や素材についてだけじゃなく制度や税金や保証についても、本当にすべてのことを追求して性能アップを目指し細かく説明してくれるところってたぶん無いと思います、たぶん。なぜなら、それをしていたらとてもじゃないけど設計料30万円じゃ納まらないし、年収400万のサラリーマンに手の届く家がつくれないからです。

だからといって説明されないことをスルーしたままでいいわけではありません。すべてにお金をかけて最高水準の家をつくることは一般庶民にはほぼ無理だと思います。だからこそ、どこにお金をかけて性能アップを目指すのか、今後のメンテナンス費用はどうなるのか、どういう制度を利用すると税金も保険も含めて総費用が抑えられるのか、それを施主自らが知って選択する必要があると思います。

そのためには、家づくり全体の知識が必要です。つくる側の都合で考えた「いい家」があなたに合っているのか、それを見極める必要があります。

なかなか素人がそれをするのは難しいです。なので、日頃家づくりをしている建築士の目でそのアドバイスをいたします。

営業さんから説明されないことを聞きだすための質問の方法、見落としのないようにするチェック項目を教えます。

どうぞお気軽にお問合せください。

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これからの防災のための住まいとは

愛知建築士会女性委員会で防災セミナーを開催しました。

講師は名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫先生です。

著書も講演も多くメディアにも登場する福和先生の歯に衣着せぬ語り口をご存知の方もいらっしゃることと思います。

阪神淡路大震災の後、神戸の街はかなりのスピードで復興してきた。東日本大震災、熊本地震では、神戸ほどの復興がなされていない。それは、今の日本には復興できる国力がない、多くの建物は崩壊したらそれを元通りにする力がない。人口が減り行政や消防に携わる人間が減っている、地方が疲弊している、その傍ら災害は威力を増している、もはや避難所で生活して支援も待つのではなく、家自体をシェルター化する必要がある。コロナ禍で新しい生活様式となり今までのような避難所が難しくなった今、自宅のシェルター化はますます必要になってくる。

歴史的に見ても大地震が何度も起きている日本、それなのに壊れたところにまた同じような建物を建てたり、経済的なこと効率的なことを優先した建て方をしたり、川沿いに高層マンション建てたり、建築界は何も学んでいない。

家を建てる場合「地震のこと考えて強い家を建ててくれるのは当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

建てる依頼先によって考えや手法はまちまちです。どんな建物でも順守しなければいけない建築基準法で決められている強度は、最低レベルでしかありません。耐震等級という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは法律で必須になっているものではありません。耐震等級3というのが今の木造建築では最高等級になりますが(これ以上の強度を示す指標がないというだけで最高の強度ということではありません)、これを標準化しているところは多くはないように思います。特に大工さんや弱小工務店に依頼した場合は。

もっというと、建築士という資格をもっていても耐震等級の計算ができない人も多いですし、どういう間取りが耐震等級3になるか理解していない人も多いです。

耐震等級3にするなら、間取りを考えながら強度を維持することを考えなければ難しいです。でも、そうではない間取りも少なくないのです。

「お客さんがそこまで言わないから。」というのは建築業界の言い訳だと私は思います。

耐震等級3がどうしたら設計できるかわからないような人が間取りをつくる、そんなことがない住宅業界にしたい。なんだか日本の住宅業界のレベルの低さに悲しくなりますが。

これから家を建てるなら耐震等級3は必須です。それをごにょごにょ言うような会社にはどうか依頼しないでください。

それから、中古住宅の場合、昭和56年前だと耐震改修したほうがいいですよ、という言い方をしますが、昭和56年以降は安全かというとそうではありません。現在の耐震基準は平成12年のものです。阪神淡路大震災以降、法律が変わりました。
昭和56年以降平成12年前の建物についてあまり言われることがないのですが。おそらく今中古として流通している物件にこの頃のものは多いのではないかと思うのです。
上っ面のリフォームだけで見た目だけきれいにして、弱い建物のまま、という物件が増えている気がします。

中古を考えている方は「昭和56年以降だから大丈夫ですよ」という言葉を安易に信じないでくださいね。平成12年より前の建物は要注意です。

どうか見た目にこだわる前に、まずは中身にこだわってお金をかけてください。

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