よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・素材

メンテナンスフリーの素材ってどんなもの?

素材選びの時、メンテナンスフリーのものがいいです、と言われるお客様がいらっしゃいます。

外壁や床材や屋根材や水回りの設備などなど。

メンテナンスフリーといううたい文句のものはありますが、基本的にメンテナンスしなくていいものなどこの世にはない、と私は思います。

風雨にさらされたり、日々の生活で人が歩いたり物を置いたり、水がかかったり、陽があたったり、地震で揺れたり。

家ってそれなりに過酷な状況なわけです。

メンテナンスフリーではなく、メンテナンスがしやすく補修が効く、そういうもののほうが結局は家が長持ちします。

例えば、木に見えて実は木目のプリントされたもの、というドアなどはとても多いですが、これらは表面材がうすく接着剤で貼られているだけなので剥がれたら中身が見えてみっともないだけです。破れたり傷がついたら補修したとしても跡がのこります。

無垢の木なら、傷がついてもへこんでも、中身は木に違いないので表面を削って磨いて塗装すれば新品同様です。

よく外壁た屋根で使われるガルバリウム鋼板をメンテナンスフリーという人がいますが、ガルバリウム鋼板でもメンテナンスは必要です。

特に外壁は、どんな素材であっても継ぎ目のシーリングが劣化します。使っている素材そのものの補修よりこのシーリングの補修のほうが重要です。ここが劣化するとここから水が外壁内に染み込みますから。

ガルバリウム鋼板は鋼板にメッキ加工がされたものです。このメッキの部分の耐久性でガルバリウム鋼板の耐久性が決まります。メッキされているわけですから、傷がついたりしたらそこから劣化して錆びることも十分考えられます。

どんな素材でも、メンテナンスフリーを望むなら、マメに手をかけてチェックすることです。まるで真逆なことですが、結局それがきれいに長持ちさせることになります。

人が住んでいない家は傷みが早いっていいますよね。実際そうなのですが。

住んでいる人によって、家はずいぶん変わります。何十年と経っている家をいろいろみると、その違いに驚きます。

ていねいに使う、大事にする。物も家も人間も。同じことです。

経年美化という住まい方

家を建てるにしても買うにしても、住み始めた後のメンテナンスは必ず必要です。

たいていガス給湯器が最初に壊れますね、10年くらいで。これ壊れたら生活に支障をきたすので修理交換は必須です。

よく言われるのが外壁です。使っている材料によってかなり変わってきます。いずれにしても面積が広いのでいざ塗り替えや補修となると金額はかかります。

外壁補修や設備機器となると専門業者じゃないと無理ですが、ある程度のことは自分たちで手入れをしてほしいなぁと思います。

欧米では住宅の手入れを自分たちでやることは当たり前なので、欧米の塗料などは専門家じゃなくても扱える製品がほとんどです。そして、手をかけていくことが当たり前なので年数が経過していつ物件ほど価値が高くなります。なので中古物件の流通は日本とは比べ物にならないくらいに活発です。

(というか、日本が異常に新築依存なのですけど)

このへんは本当に、文化の違い、を感じます。

外壁に木を貼ったり、ウッドデッキにしたり、柱がそのまま見えていたりすると、どうしても数年で変色します。もちろん塗装はしていても。

それを放置して劣化するから、という理由で使うことを勧めない工務店もあります。そのかわりに使うのが木目の樹脂のもの。ようするにぱっと見の模様が木目なだけの偽物です。

そんなもの使うならそもそもそのデザインやめたほうがいい、と私は思います。

時間の経過とともに質が劣化するのはどんなものでも同じことです。家にかぎらず電化製品だって。

ただ、それ以上に味が出るというのが木や自然素材のよいところです。

長く使い続けて手をかけることによってさらに魅力を増す、という使いかたができます。キズやシミも味のひとつ。

愛着が増す、世界で唯一のものになる、経年美化。

ただ劣化させるか、美化させるか、そういう住み手の使い方は建物にはっきりと表れます。

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これが本当の「自然素材」の家

昨日行った佐久島

ぷらぷら歩いて散策したのですが、

建ってる家々が昔ながらの庶民の木造住宅がほとんどで。古民家っていうほどじゃなくて。

たぶん、空き家が多いんじゃないかな。

農家がおおいだろうから納屋も多くて。

けっこう壊れかけてるものもあって。表面がはがれて中身が見えたり。

これなんて外壁の表面材がはがれちゃってるんじゃないかな。

こういうのを土壁、といいます。竹が見えてますが、木舞(こまい)といって竹を細く割ったものを網目状に組んだものです。土を塗るための下地ですね。

私がこの仕事を始めた20数年前は、地元の大工さんがつくるような家はこのやりかたをしてることもありました。今じゃ、自然派住宅や伝統工法を意識しているような人しかこのやり方を選択しないくらいに「特別なもの」になりつつあります。

ツタがからまって朽ちていきそうな小屋。土と木と石でできたものはこのままほかっておくと自然に還るのだろうか。

昔ながらのやりかたで建てられてる建物は解体費が安いです。材料の分別と処分に手間がかからないから。新建材は処分が大変。新建材が主流の今建ってる家が処分される何十年後には、建物の解体処分はずいぶんと環境負荷が大きいだろうなぁ。

土も木も石も、身近な素材のはずなのにそれを使うことが一部の意志ある人だけのものだなんて。科学技術の発展が必ずしも「進歩」じゃないよなー。

なんてことをみんなが歩いていく中、こんな写真を一人とりつつ考えていました。

 

 

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