よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・収納

ウォークインクローゼットは本当に使いやすいのか?

ウォークインクローゼットを欲しい!
注文住宅でそう要望される方は多いです。

たくさん収納ができて使いやすい、というイメージがあるかもしれませんね。

さて、本当にウォークインクローゼットは使いやすいのでしょうか?
今回はほかのクローゼットと比較しながら使いやすさを考えてみましょう。

この記事はこのような方に向けて書いています。
◎自由な間取りの注文住宅を検討中の方
◎間取りをいろいろもらったけど悩んで決まらない方
◎ちかいうちに注文住宅で家建てたいなと思っている方
◎じっくり自分たちで考えて納得する家づくりをしたい方

この記事を書いている私は、
一級建築士として設計事務所、地域密着の住宅会社に勤めた後
2013年に独立しました。
今は、地元の工務店さんなどで外注の建築士として、
注文住宅のお客様との打ち合わせや法規的なお仕事をメインにしています。
今まで携わった家づくりは300軒ほどあります。
高級な注文住宅ではなく、35坪2700万といった住宅がほとんどです。
みなさんそれぞれこだわりを持ってオンリーワンの家づくりをされています。

家づくりをするみなさんに
私の知識や経験を役立ててほしい
そう思って発信しています。

たくさんの家づくりをしてきた中で、わかってきたウォークインクローゼットのメリット・デメリットをみなさんにお伝えしますね。

ウォークインクローゼットってどんなイメージがありますか?

外国映画にでてくるような、洋服やバッグがずらーっと並んでるイメージでしょうか。
収納量が多くかたづけが楽になる、というイメージでしょうか。

多くの方が、使いやすいかどうかより、ウォークインクローゼットがあるということ自体がなんだか高級なイメージ、なのではないかという気がするのです。

では、具体的にいくつかのケースを見てみましょう。

◎収納量は?

①②③どれも同じ収納量です。ハンガーパイプの長さで見たら。
使い方によっては①が一番収納量が多いかもしれません。
吊る下げた洋服の下に引出ケースを置く場合、奥行のあるものは②や③ではぶつかって全開できない可能性があるからです。

◎かたづけ動線は?

①が一番いいのでは、と私は思っています。
なぜなら、ベッドがすぐ横にあると洗濯物をしまう時に便利だからです。
とりこんだ洗濯物をベッドの上にどさっと載せて、そこからクローゼットにすぐしまう、というのが私にはやりやすいのです。
この辺は個人のやり方次第ですね。

ウォークインクローゼットの場合、手に洗濯ものを持って中に入っていかなければいけません。大量の洗濯物をもって入ってそれをいったんどこかに置いて、ハンガーにかけるなり引出しにしまうなりするというのは、ひと手間増えるという気がします。

◎面積は?

①と②は寝室とクローゼットを合わせてた床面積は同じです。③は①②より床面積が広くなっています。

クローゼットの収納量は①②③とも同じです。
①はクローゼットの前に物は置けませんね、扉があるので。
でも、②と③はベッドの横に物を置くことができます。そうなると、面積が有効活用できる、とも言えます。

◎扉は?

実はこれがウォークインクローゼットの大きなメリットなのでは、とも思います。

どういうことかというと、②③は扉がありませんよね。これは人それぞれ考えがわかれるところなのですが。
扉無しでも大丈夫という人もいれば、やはり収納されてる物が見えるのは嫌なので扉がほしいという人もいます。
②なら扉欲しい、③なら扉なしでもいい、という人もいると思います。(ちなみに私はそのタイプです。ベッドで寝る時に横に収納が開いてるのは気になります)

実は、クローゼット扉というのは金額が高いのです。
これが2つある①と1つもない②③では結構な違いになります。
金額を少しでも抑えたいなら、クローゼット扉は極力使わないほうがいいでしょう。

◎気分が上がる?

これが最大のメリットではないでしょうか。
そんなこと?と思うかもしれませんが、大事なことですよ!
気分が上がるかどうかは。

最近はこんなふうにカラフルな壁紙をクローゼットに使う人が増えました。
クローゼットってパーソナルな空間なので、思いっきり自分の好みでいいと思います。
洋服がたくさん並ぶところにこんな柄物だとごちゃごちゃしないかな、と気になるなら天井に柄物をもってくるといいですよ。

想像してみてください。
毎日慌ただしく朝の支度をする中、明るい気分になるクローゼットがあったら。
それだけで足取りが軽くなりそうですよね。

かたづけも、地味な薄暗いところより、こんな素敵な壁紙があれば、すっきりかたづけたくなりませんか?

あなたが気分が上がるクローゼットはどんなものですか?
収納量優先?かたづけ動線が短いこと?カラフルな壁紙?やっぱりウォークインクローゼット?

イメージや人からもらった情報じゃなくて、あなた自身がどうだったらいいのか、しっかり考えて決めてくださいね。

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物がかたづく間取りにするための
かたづけしやすい収納にするコツ

狭い賃貸マンションから新築の一戸建てにするんだから
収納がたくさんあって
かたづく家にしたい!

と思っている方は多いと思います。

せっかくこだわりの注文住宅にするのだから
おしゃれに素敵に住みたいですよね。

新しい家になったら
一戸建てになったら
かたづくようになるのでしょうか?

残念ながらそれは違いますね。

これだけははっきり言えます。
収納場所が増えればかたづくわけではありません。

今まで300軒くらいの家づくりをして、間取り相談も受けている建築士としての経験で得たことを、みなさんにお伝えしますね。

まず第一に、収納が多いほうが片付く、という考えはNGです。

かたづけが苦手な人にとって、収納はできるだけ多いほうがいいのでは、という不安な気持ちはわかります。

おおきな納戸があればそこに物がたくさんしまえて片づけが楽なのでは、と思う気持ちもわかります。

でもこれが、物を溜め込む元凶です。

まず意識していただきたいのが、「片付いている」とはどういう状態かというと

【適量な物が、しまいやすい場所=使いやすい場所に、おさまっている】

ということです。

はみ出ているものを隠すようにしまい込む、ではありません。

片づけることを↑コレだと思っている人が多いのですが、それは間違いです!!!

収納が適切な間取りかどうか、それはまず、あなたの家庭の適量を把握していますか?ということから始まります。

この質問で、表情が暗くなる人は、余分な物をたくさん持っているんだな、ってわかります。

私が収納場所を考える時、だいたいこんなふうに考えます。

物はざっくりわけて、
①日常頻繁に使う物、
②季節や行事など限定的に使う物、
③趣味の物、
に分けることができます。

これらをどこに配置するか、です。
なんとなく収納を配置する、では、なんとなく物が増えていってしまいます。
ここはこういう物をしまう、とわかっていると片付けはぐっと楽になります。

①日常頻繁に使う物
=キッチン道具、食材、洗濯用品、洗面用品、衣服、などなど

これは優先的に配置します。
片付けのセオリーである、しまう場所≒使う場所、です。

標準的な収納量を考えてまずは配置し、
特別に多いものをプラスしていきます。

靴が特に多いお家は大きめのシューズクロークとか、
調理家電が多い人はキッチンのカウンタースペースを広くとか、
そこはヒアリングで決めていきます。

②季節や行事など限定的に使う物
=扇風機やヒーター、ひざかけ、お雛様、お正月用品などなど

これらも基本は、使う場所の近くを考えます。が、①ほど優先ではありません。
なので、廊下の階段の下とか、玄関横とか、使う部屋の隣、くらいのイメージです。
ただし、1階で使う物は1階に、2階で使う物は2階に、となるようにできるだけするようにします。

③趣味の物

これはそれぞれの家庭で全然違いますね。
でも、これはみなさん自覚して量を把握しているので、実は案外かたづけしやすい物です。

アウトドア系なら外に近いところとか、本やCDならその持ち主の個室とか。場所も広さもすんなり決まることが多いところです。

①②③の中で意外とやっかいなのが、①です。
なぜかというと、
ついつい増えてしまうものだからです。
なので、どのくらいの量が適量なのか、どのくらいの広さがあれば足りるのか、ご自身で把握しにくいんです。

そして、どこに分類したらいいのか、気づかないものもあります。
食器や食材や靴といった、明らかに分類しやすいものは
どこに収納場所をつくればいいのか、わかりやすいですが。

処分する予定のダイレクトメールとか、子供のプリントとか、
めったに使わないけどいざというときに使う工具類とか、
持っていることを忘れがちなお掃除便利グッズとか。

ついたまってしまうもの
つい出しっぱなしになってしまうもの
しまい込んだら使わなくなるもの

そういうものの収納場所を決めなければ
かたづく家にはなりません。

なぜなら、散らかるもの、溜まってしまうものは
そういうものだからです。

実際にどんな
散らかるもの、溜まってしまうもの
があるか。
あなたは把握していますか?

ぜひ今のうちにダンシャリをしてくださいね。
あなたの家にどれだけ余分な物があるのか自覚できますから。
間取りを検討中=引っ越す、と思いますので、物は減らしたほうが断然楽だしお得ですよ。

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片付く家にするための見せる収納方法

片付く家にするためには、収納をどこにどれくらいつくるかということはとても重要です。

収納が多いと便利なように思うでしょうけど、収納量に比例して物の量は増えるのでそこは要注意です。しまい込んじゃう場所を増やすだけですので。

収納量も大事ですが、もう一つ、見せる収納にするかどうかも考えて欲しいところです。

見せる収納というと、かわいい雑貨を飾るように棚に並べることを思い浮かべると思います。それもありますが、棚や引出しにしまってしまうと存在を忘れてしまうようなものは、あえて見せる収納にしておいたほうがいいこともあります。

中途半端に残っている食材とか、賞味期限ちかいものとか、提出まじかの書類とか、家族みんなが頻繁に使う物とか。

ついつい溜まってしまうものもあえて見えるところに置いたほうが溜め込まなくなると思います。

引出しや押入れにしまってしまうと、そこをあけない限り溜まっていることに気が付かないし、見えないからいいかと片づけることを後回しにしがちです。

目に触れることが多い場所にあると、ついつい増えていくことで捨てなきゃって気になったり、そういえばこれがあったから使おうっていう気になったり。

片付く家というのは、とにかく物を溜め込まない循環がいい、ということですから。処分しやすくするということはとても大切です。

だからといって、なんでも見えるところにポイポイ置いていたらそれは片付いていることにはなりません。

見える収納の場合、その置き方には気を配ってほしいところです。

トレイやカゴを使うことが多いですけど、そこは100均ではなくそれなりに素敵に見えることを意識して選んで。色や素材感を統一するとか。

そして、そこからはみ出る量は絶対に置かない。これが鉄則です。

はみ出るまで置いたら片づけやすくするはずの意味がないですもんね。

ということを大掃除しながら考えてました。見えてるところは掃除するけど、収納の中までは掃除の手が回らないんですよね。

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