よつば暮らしデザイン室

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上野千鶴子先生セミナーのお知らせ

愛知建築士会女性委員会で毎年おこなっている企画
「わたしらしい住まいづくり」
今年度で30回を迎えます。

その30回記念セミナーに社会学者の上野千鶴子先生をお迎えして
「3.11&コロナ後の建築」と題して講演をしていただくことになりました。

上野先生といえば最近では2019年東大入学式の祝辞で話題となりましたね。「おひとりさまの老後」などの著書も多数あります。フェミニスト、ジェンダー論者の第一人者です。

なぜ建築士会の講演に上野先生?と思われる方も多いと思います。私も、今年度は上野先生に決まったと聞いた時、なぜ?と思いました。

私は知らなかったのですが、上野先生は建築についても造詣が深いそうです。また、この「わたしらしい住まいづくり」のセミナーでは有名建築家を招いて建築について語ってもらうより、建築にまつわる社会学という内容をテーマにしてきたという経緯もあります。

社会が大きく変わる今、上野先生が何を語るのか、とても楽しみです。

ZOOMウェビナーを使っての講演です。世界中どこからでも参加できます。建築にたずさわる方も、建築に関係ない方も、上野先生のファンの方も、ふるってご参加ください!

申し込みはコチラ(peatixにログインしてお申込みください)

■開催概要
講師:上野千鶴子氏(社会学者・東京大学名誉教授)
日時:2021年1月31日(日)14:00~16:00(受付は13時30分~)
※終了時間に関しては多少前後する可能性があります。
場所:Zoomビデオウェビナーを使用したオンライン配信

 (1月25日までにお申し込みいただいた方にはイベント開催前に次第をメールで送信いたします。)
*やむを得ず、諸事情により変更・中止となる場合がありますことをご了承ください。

■チケット
 愛知建築士会会員(準会員、特別会員、賛助会員含む) 1000円
 一般                        1500円

昭和美術館南山寿荘を訪ねて②

愛知建築士会女性委員会の見学研修会で昭和美術館南山寿荘を見学しました。

こちらは日本建築士会連合会女性委員会で作成した『魅力ある和の空間ガイドブック』にも掲載されています。

南山寿荘は、江戸末期に尾張藩家老の渡辺規綱が別邸として堀川沿いに建てたもので、それを昭和10年代に実業家の後藤幸三が今の場所に別邸とするために移築したものです。

前回の記事では江戸時代に建てられた当初の面影を残す部分についてご紹介しました。

こちらの玄関は移築された時に手を加えられたようです。

玄関入るとすぐに囲炉裏があったり、腰板が貼ってあったり、民芸調の空間になっています。これは移築当時、飛騨から大工を呼んでつくったそう。

こんなものが飾ってあります。なんだと思いますか?山椒の木のすりこぎだそうです。こういうものをオブジェにしてしまうって、今に通じるセンスですね。

この床も、とても味がある!足にあたる感触がとても気持ちいです。

2階に通じる階段、これは江戸時代当初のもの。とても急です。手摺つかまらないと降りる時危険を感じるくらい。移築して住んでいた後藤幸三は90歳過ぎまで長生きしたそうですが、この階段を使っていたそうです。昔の人の足腰の強さは現代人とは比べ物にならないですね。

ここの敷地には有合庵という茶室もありますがこれも後藤幸三が移築したもの。当時の正門も残っていますが、これも元は芝居小屋の門だったものを移築してきたそうです。

後藤幸三さん、自分の気にいった建築をコレクションのように集めてきちゃったんでしょうか。新しく建てるのではなく、移築してくるっていうのが、なんだか面白いです。

南山寿荘は通常は非公開ですが毎年11月3日には予約不要で公開されています。

昭和美術館ホームページ

【建築士による家づくりセカンドオピニオンをやっています】
工務店との契約前、契約後、いずれもOK。私、佐藤百世に設計を依頼しなくてもOK。
工務店チェックリスト差し上げます。
効果的な質問の方法を教えます。
提案された間取りについて本当にこれでいいのか、2社までしぼったけどどう決めたらいいのか、間取りはいいけどデザインがイマイチでどう要望をつたえたらいいのか、などなど。
対面またはZOOMで。対面の場合は岡崎市周辺で。
1回のご相談2時間以内 5,000円(税込)
右上のお問合せから、お気軽にどうぞ。

昭和美術館南山寿荘を訪ねて

愛知建築士会女性委員会の見学研修会で昭和美術館南山寿荘を見学しました。

こちらは日本建築士会連合会女性委員会で作成した『魅力ある和の空間ガイドブック』にも掲載されています。

南山寿荘は、江戸末期に尾張藩家老の渡辺規綱が別邸として堀川沿いに建てたもので、それを昭和10年代に実業家の後藤幸三が今の場所に別邸とするために移築したものです。

渡辺規綱は茶人としても知られていて、実弟で京都裏千家へ養子にいった玄々斎もこの建築に大きく携わっているとのこと。随所にさまざまな意匠の拘りがみられます。

特に、茶室は母屋に対してねじれた配置になっており「捻駕籠(ねじかご)の席」と名付けられています。駕籠とは昔の偉い人が乗った、あの駕籠です。上からみると駕籠のような形に見えることからだそうです。

元々は堀川沿いの斜面に向かって建てられたため、堀川から階段をあがって内腰掛を通って茶室に入るようにつくられていて、移築時もその面影を残すように斜面に面してつくられて堀川を思い起こす庭になっています。堀川から向こうには鈴鹿山脈も見えたそうで、茶室から見えるように窓が設けられています。

利休が提唱するような外界とは一線引いたような茶室ではなく、明るさや広さも感じさせ居心地のよさを求めたような空間のつくりになっています。床の間の筆柱、天井の意匠が細かく変えられていたり、土壁の意匠、襖の引手の「つぼつぼ」など、玄々斎のこだわりのようです。

2階は広々とした二間続きの広間で、両側に縁側があり風が抜けて気持ちのいい空間になっています。すっきりとした欄間や襖の桟の細かさや、こちらも玄々斎の趣味が活かされてます。

ここにも「つぼつぼ」の引手。

「つぼつぼ」とは。
茶道における千家の替紋、だそうです。替紋とは、常に使う定紋にたいしての略紋、だそうです。ある程度のお稽古を積まれたかたにお道具やお着物に使ってもいいよというお許しされたら使える紋、でもあるようです。表千家、裏千件、武者小路千家、それぞれにつぼつぼ紋があるようです。

かわいらしくて洗練されていて、現代でも襖紙のデザインに「つぼつぼ」っぽいデザインが使われてます。

手前の屋根が捻駕籠の席の屋根。ねじれてる感じがわかりますでしょうか。
この瓦、他のものよりかなり小さくつくられています。奥の屋根の瓦より小さいことがわかりますか?小さい空間の茶室を小ささを感じさせない工夫です。
屋根屋さん、これ葺くの大変だっただろうな。

下層の右側が茶室です。上のほうに見える屋根の部分が2階の広間です。
見るからに複雑。移築の時に解体したら名古屋流の建て方ではなかったそうで、おそらく京都から職人を呼んで建てたのだろう、ということです。

規綱と玄々斎は19歳離れた兄弟ですがとても仲が良かったようです。きっと二人ともデザインが好きで趣味が合ったんだろうな。玄々斎は茶道の世界でも活躍したそうで、きっと今でいう時代をリードする人気デザイナーですね。

そしてなんと、規綱も玄々斎も元は岡崎の生まれです。三河奥殿藩主の子として生まれ、規綱は渡辺家へ、玄々斎は裏千家へ、養子に入っているのです。

何百年後の人が見ても「かっこいい」と感じるセンスの良さ。すごい人です。

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