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新築間取りで甘く見ると後で困る場所TOP3

新築を考えてるみなさん、夢が広がりますよね。

間取りやインテリア、頭を悩ませるけど楽しくもあり、家づくりの醍醐味です。

間取りを考える場合、最初はざっくりとリビングはここにこれくらいでキッチンはこれくらいほしい、玄関はここかな、って考えていくと思います。

収納も、ウォークインクローゼットはこれくらい欲しくて、掃除機はここで、玄関収納はこれくらい、ってことはみなさんだいたい想像つくと思います。

ざっくり考えていくのはいいのですが。後になって「これのスペースがない、いれようとすると面積増えちゃう・・・。まぁ、なんとかなるか」と強引に入れざるを得なくなることが多い場所があります。

部屋干しの場所
分別ゴミの置き場所
リビングで使う物の収納場所

間取りを考えるうえでまっさきに思い浮かぶような場所ではないですね。でも、地味だけど確実にいるし、目につくところにあると目障りなものです。

◎部屋干しの場所

部屋干しはしない方もいるかもしれませんが、ようするに、雨の日や冬場の乾かない洗濯物を干す場所です。
何も想定してないと、リビングや寝室に市販の物干し置いていつも洗濯物が目に入る、なんてことになってしまいます。
せっかくおしゃれにインテリアを選んだり壁掛けテレビにしたのに、部屋の片隅に洗濯ものがぶら下がってるなんて、嫌ですよね。

お風呂の浴室乾燥で乾かす、衣類乾燥機を使う、っていうかたもいます。お金と燃料を使うことに抵抗ないならそれもありでしょう。

晴れた日は2階のバルコニーに干すという人なら、2階廊下をちょっと広めにして部屋干しコーナーにすると便利です。

こちらはファミリークローゼットの横に室内干しをつくりました。目につくところなのでアイアンでちょっとおしゃれさも忘れずに。

冬場はエアコンつけてるリビングが乾燥してるからそこに干したい、っていう人もいますが、洗濯物がリビングに干してあることに抵抗ないならいいですが。
新築するのにそれを想定してるのは、かたづかない部屋へまっしぐら・・・な気がしますね。
せめて、目につかないような部屋干しコーナーをリビング横につくることをお勧めします。

◎分別ゴミ置き場

これもけっこう場所をとります。
最低でも2つは大きいゴミ箱いりますよね。缶ビンはその都度外に出すとか、不燃はその都度外に出す、っていう人もいるかと思いますが。
だとしたら勝手口は必須でしょうね。

システムキッチンの背面収納にゴミ箱スペースが組み込まれているものもあります。それでよければいいですが。
その分他のものの収納場所がないことになるので、持ってる食器や調理器具の量をよく考えて選んでくださいね。

パントリーに組み込む方が多い気がしますね。下の方は扉をつけずに。そういう場合はある程度使うゴミ箱を想定しておいたほうがいいかと思います。上に蓋が開くタイプだと棚にぶつかる、ってこともありますから。

家族みんなが使うものでもあるので、あまり奥まったところとか、キッチン作業の邪魔になるところだと使いにくくなるかもしれません。

◎リビングで使う物の置場所

リビングテーブルやダイニングテーブルに物が出しっぱなしな生活が当たり前になってるお家は、これが不十分な可能性大です。

物は使っていない時は収納場所にある、これがかたづく家の原則です。
そして、収納場所は使う場所の近く、というのも原則です。

リビング階段のこちらのおうちは階段下がリビング収納の拠点です。けっこうな収納量です。

リビングで使う物って実にさまざまで、そして各家庭によってほんとに違うんですよね。
本だとかDVDとか子供の物っていうのはわかりやすいほうで。
いつのまにか溜まってる紙もの、ついつい手を出すお菓子、何かのときに使うハサミなどの文房具。
ほぼ無意識に使っているものこそ、ちらかりやすい物です。
それらを収納する定位置をつくっておかないと、いつもなんだかちらかってるリビングへまっしぐら・・・。

そうならないためには、今の暮らしでリビングやダイニングで使っているものを意識してみることです。
だしっぱなしになってる物はなんですか?

家づくりは夢が広がります。
ついつい憧れや目先のおしゃれなものに目がいくと思います。
それはそれで大事なことです。
でも、住んでからも素敵さを維持したいなら地味な「生活」の部分にも気を配った間取りが必要だと思いますよ。


イマドキの間取りってどんなもの?

間取りにも流行りがありまして。流行りと言うか、時代の価値観を反映するんですよね。

これはいかにもイマドキ、という間取りを見ました。

ヘーベルハウスのonefittoというシリーズ

「時代と家族とフィットする」というコンセプトなようなので、まさにという感じ。

キッチン横に大きなパントリー
キッチン横に家事室ORお母さんの在宅ワークできる部屋
そしてこの、パントリー⇔キッチン⇔家事室、と一直線になってるなんて、在宅ワークやハンドメイド好きな人にはうれしいですよね。

2階には「ランドリーサンルーム」ってネーミングされた部屋もあって。バルコニーに面していて、ファミリークロークも近い。これも洗濯動線の理想なのでは。
私も部屋干し派なので(そもそも外で働いていたら洗濯ものを取り込む時間に家にいることなんてない)、部屋干しスペースは必須だと思ってます。

そして、コロナ以降のイマドキ事情も考慮されてて、玄関から洗面に入るとか、2階にしっかり在宅ワーク部屋が独立してあったり。
この在宅ワーク部屋の位置が、寝室と離れていたりバルコニーが隣にあったりと、なかなかぜいたくな在宅ワークです。

間取りの変化は時代を表しています。今までも、対面キッチンのLDKになったり、リビング階段になったり、和室がなくなったり。

コロナ禍による新しい生活様式で、在宅ワークが当たり前になったり、手洗い習慣が重要になったり。そんな時代を反映した間取りはこれからも増えていきそうです。


これからの防災のための住まいとは

愛知建築士会女性委員会で防災セミナーを開催しました。

講師は名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫先生です。

著書も講演も多くメディアにも登場する福和先生の歯に衣着せぬ語り口をご存知の方もいらっしゃることと思います。

阪神淡路大震災の後、神戸の街はかなりのスピードで復興してきた。東日本大震災、熊本地震では、神戸ほどの復興がなされていない。それは、今の日本には復興できる国力がない、多くの建物は崩壊したらそれを元通りにする力がない。人口が減り行政や消防に携わる人間が減っている、地方が疲弊している、その傍ら災害は威力を増している、もはや避難所で生活して支援も待つのではなく、家自体をシェルター化する必要がある。コロナ禍で新しい生活様式となり今までのような避難所が難しくなった今、自宅のシェルター化はますます必要になってくる。

歴史的に見ても大地震が何度も起きている日本、それなのに壊れたところにまた同じような建物を建てたり、経済的なこと効率的なことを優先した建て方をしたり、川沿いに高層マンション建てたり、建築界は何も学んでいない。

家を建てる場合「地震のこと考えて強い家を建ててくれるのは当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

建てる依頼先によって考えや手法はまちまちです。どんな建物でも順守しなければいけない建築基準法で決められている強度は、最低レベルでしかありません。耐震等級という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは法律で必須になっているものではありません。耐震等級3というのが今の木造建築では最高等級になりますが(これ以上の強度を示す指標がないというだけで最高の強度ということではありません)、これを標準化しているところは多くはないように思います。特に大工さんや弱小工務店に依頼した場合は。

もっというと、建築士という資格をもっていても耐震等級の計算ができない人も多いですし、どういう間取りが耐震等級3になるか理解していない人も多いです。

耐震等級3にするなら、間取りを考えながら強度を維持することを考えなければ難しいです。でも、そうではない間取りも少なくないのです。

「お客さんがそこまで言わないから。」というのは建築業界の言い訳だと私は思います。

耐震等級3がどうしたら設計できるかわからないような人が間取りをつくる、そんなことがない住宅業界にしたい。なんだか日本の住宅業界のレベルの低さに悲しくなりますが。

これから家を建てるなら耐震等級3は必須です。それをごにょごにょ言うような会社にはどうか依頼しないでください。

それから、中古住宅の場合、昭和56年前だと耐震改修したほうがいいですよ、という言い方をしますが、昭和56年以降は安全かというとそうではありません。現在の耐震基準は平成12年のものです。阪神淡路大震災以降、法律が変わりました。
昭和56年以降平成12年前の建物についてあまり言われることがないのですが。おそらく今中古として流通している物件にこの頃のものは多いのではないかと思うのです。
上っ面のリフォームだけで見た目だけきれいにして、弱い建物のまま、という物件が増えている気がします。

中古を考えている方は「昭和56年以降だから大丈夫ですよ」という言葉を安易に信じないでくださいね。平成12年より前の建物は要注意です。

どうか見た目にこだわる前に、まずは中身にこだわってお金をかけてください。

【建築士による家づくりセカンドオピニオンをやっています】
工務店との契約前、契約後、いずれもOK。私、佐藤百世に設計を依頼しなくてもOK。
工務店チェックリスト差し上げます。
効果的な質問の方法を教えます。
提案された間取りについて本当にこれでいいのか、2社までしぼったけどどう決めたらいいのか、間取りはいいけどデザインがイマイチでどう要望をつたえたらいいのか、などなど。
対面またはZOOMで。対面の場合は岡崎市周辺で。
1回のご相談2時間以内 5,000円(税込)
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