よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・間取り

家族の変化に困らない家づくりとは

家の寿命より家族の寿命が先に来る、前の記事でそう書きました。

日本の家は欧米に比べて極端に寿命が短いと言われていたため、今では家の寿命を延ばすような家づくりをする傾向があります。

家の寿命が50年60年それ以上として、そこに住む家族はどうでしょう。

50年同じ人が住むことは考えにくいですね。それは昔も同じこと。

でも、昔は人が変わったとしても家族形態はさほど変わらなかった。祖父母+夫婦+子供、夫婦+子供。

ところが今は、子供が成長すると家をでて戻ってこないとか、結婚しないで中年になっても一人暮らしとか、年取った夫婦だけとか、「家族」といえども一緒に住まない人が増えてきた。

こうなると、夫婦+子供という従来の典型的な家族という形態で家に住んでる期間はさほど長くはなくなってくる。

建てる時はたいてい子供が小さくて何をするにも家族優先、子育て中心、家族が一緒であることが当たり前、それを基準に家づくりをする。

ところが家の寿命に対してそんな期間は長くはなく。子育て期間が終わるとどうなるか。

子供部屋が使われなくなる、子供が見えるように配置したLDKが実は使いにくくなる、若い時には苦にならなかった使い勝手が年とともに使いにくくなる、などなど。

子育て中はどうしてもその苦労が大きくて子育て中心の家になりがち。でも、実は住まいの寿命考えると子育て期間は長くはない。子供は成長するのです。

家族は変化するのに家がその変化に対応できないというのは、本当はまだ使える家が住みにくくなってしまう。とてももったいないことだと思うのです。

そうならないためにどうするか。

役割をつくりこまない間取りにする。

昔の日本の民家は田の字の間取りでした。8帖6帖の部屋が田の字に並んでいるだけ。布団を敷けば寝室、座卓があれば食事の間、座布団をだせば客間。使い方次第で機能が変わる部屋でした。建具をはずせば広くなるし。

こういうフレキシブルさを求めて、あえて間取りを細かくつくりこまず、水回りくらいを決めたらあとはどうにでもできるような単純な部屋の配置にしておくのです。

家族中心の時は広々したリビングとして使い、子供が巣立ったあとは個人の趣味が楽しめる個室にする。

デザインも今の好みや流行にしない。家具やファブリック類で変化をつくれるようにする。

そのかわり、構造と断熱といった後でいじれない中身をこだわる。構造も、ガチガチに固めず間取りの変化に対応できる組み方にする。

シンプルな間取りと流行に左右されないデザイン。余白を残す家づくりをおすすめします。

張り切り過ぎてお店みたいなおしゃれな家は、家族の変化についていけなくなるのではないかと思うので、気を付けて。

 

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ピタッとくる間取りピタッとしない間取り

家づくりで一番頭を悩ませるところといえば、間取り、かも。

住みやすいかどうか、を決めるのも間取りです。日々の生活の動きに直結しますからね。

私がつくっているとき、なかなか決まらない間取りでもあるとき「あ、これだ」ってものすごくピタッときた感があらわれる時があります。

それまでさんざん考えてきたどのパターンでも得られなかったピタッと感。

もちろんそれまでだってお客様の要望を盛り込んでちゃんと考えてるんですけどね。

お客様自身も、何が最適か、が見えていないんだと思います。そしてそれが何がピタッときてないか、が見えていない。だからどこをどう変えよればいいかもわからない。言葉で言えない。

ピタッときた間取りを見てると、やっぱりシンプルであることがほとんどです。

どこに行くにも距離が近い、きれいに並んでいる、角が少ない、ちまちましてない。

他の人がつくった間取りをみていてもそうです。これここは強引にはめこんだな、ここは後から変更したな、っていうのは見るとわかります。ちょっと違和感を感じる部分です。たぶん、もうちょっとなんとかすればなんとかなりそうな。

私がピタッときた間取りはお客様も同じようにピタッと感じてます。「これですね」って納得した感じが。

そしてそれは、最初に出した間取りに近いということもよくあることです。ハウジングコーチで出た結果はやっぱりそうだった、ってことも。

さんざん考えて出してみて見てみて、これじゃない、ってことがわかる。

ボツ案にも意味があるんだーーー、って自分に言い聞かせます。

 

間取りのセカンドオピニオンもやってます。間取りがなかなか決まらない、というかたはご相談ください。

 

 

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家族の変化に寄り添う間取りとは

家づくりでも間取りを決めるのはなかなか時間のかかるところです。

なにがベストなのか悩むのですが、悩む理由のひとつが、将来どうなるかわからない、というところです。

正解の落としどころがそもそもどこかわからないのです。

子供が今小さくて数年後といっても思春期になる程度ならまだ家族の形態は変わらないのですが、

子供が大人になっていつまでこの家で暮らすのか、結婚するのか、結婚して一緒に暮らすのか。

両親と住む二世帯の場合、いつまで自分で自分のことができるようにしたらいいのか、介護できるように広くつくったほうがいいのか。

などなど、将来を想定してつくることは長く活かす家づくりに必要なことだとは思いますが、使うか使わないかわからないことに面積や設備を投資してつくることは、なんだかもったいない気がしますね。

子供が二人三人いる場合、誰かが結婚して一緒に暮らすだろうと考えて2階にもキッチンつくったけど、結局誰も一緒に暮らさない、っていうお宅も時々みます。

子供たちがみんな家を出て子供部屋が2室とも空き部屋になったまま十数年、っていう家も多いですよね。

日本の住宅は海外に比べて寿命が短いっていいます。20年とか30年とか。

今は長寿命を目指してつくっている所も多く、家の性能自体は長くなっても、そこで暮らす家族の形態がそれに見合っていかないのでは、という気がします。

とくに、今の暮らしにこだわりの強い家ほど。

デザインや間取りにこだわったおしゃれな家、20年後30年後におじいちゃんおばあちゃんになってもこの家でいいのかな、って思います。

「今欲しい物」にこだわった家づくりはあまりお勧めしません。

だからといって将来どうなるかわからないことを考えすぎて使うかどうかわからないことに面積をとられたりお金をかけたりするのも賢いやりかたとは思えません。

じゃ、どうするか。

将来の変更が容易にできるようなつくり方や間取りや設備の位置を考えることです。

家族がどんな形態になっても包み込んでくれるような、流行に関係なく余裕を感じる家づくりを心掛けたいと思ってます。

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