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平屋のデメリットを解消して
居心地のいい間取りにする5つのポイント

近頃人気の平屋の家ですが、メリットはもちろんたくさんありますが、
デメリットも当然あります。

メリットを存分に活かして、デメリットを感じさせないような間取りにしたいものですよね。

ここでは、平屋の家のデメリットと、それを解消できるアイデアをご紹介します。

メリットはこちら↓に書いていますので、どうぞ参考にしてくださいね。

平屋のメリットを活かした間取りとは

平屋が増えている理由は
30坪程度のこじんまりした家が増えていること、夫婦二人の家が増えていること、など、理由はいろいろあると思いますが。

私はこれが大きいと思っています。

外観のカッコよさ!!!

平屋の建物の、横にのびやかなプロポーションは本当にかっこいい!!!

インスタや雑誌でかっこいい外観をみたら平屋だった、ということから、平屋いいなぁと思いはじめた人は多いのではないでしょうか。

かっこいいだけじゃなく、住み心地よく快適な家にするために、平屋のデメリットを理解して、じょうずに解消してほしいと思います。

平屋っていいなぁ、と思って注文住宅を計画しはじめたみなさんに、
住んでからの後悔を減らし、住み心地よい平屋のおうちにするための知識をお届けします。

この記事を書いている私は、設計事務所や地域密着の住宅メーカーの設計職を経て、2013年に独立した一級建築士です。
今まで手掛けた住宅は300棟ほどあります。
今は地元の住宅会社さんからご依頼いただいて、建築士として打ち合わせからインテリアコーディネート、法的なこと、耐震等級や省エネ等級の計算などをしています。


住宅会社さんからのご依頼だけでなく、直接お施主様からご依頼いただいて注文住宅やリフォームの設計もしています。

私自身が設計するだけでなく、
セカンドオピニオンとして、間取りや工務店の選び方などのご相談も受けています。

注文住宅の世界は、建てる会社の実力も方針も金額も本当に様々です。
知識のない一般の方がそれを判断して1社に決めなければいけません。


家の見た目や営業さんの人当たりの良さで決めるのではなく、家の性能、会社の実力をしっかり見極めて選んでほしいのです。
そのために、これから家を建てるみなさんの役に立つように、私の知識と経験をできるだけわかりやすく発信しています。

平屋のデメリットとは?

まず、平屋のデメリットをあげてみましょう。
 ①日当たりが悪い部屋ができやすい
 ②廊下のある間取りになりやすい
 ③防犯上不利になりやすい
 ④水害の影響が大きい
 ⑤建築費が2階建てより割高

では順番にみていきますね。

①日当たりが悪い部屋ができやすい

4人家族3LDKの場合、LDKと個室の3室をすべて南や東に向けようとすると、こうなります。かなり極端ですが・・・。

細長い家になることがイメージできますよね。
敷地のどこにでも建てられるような広い土地ならいいのですが、なかなかそうはいかないでしょう。
そうなると、寝室や子供室が「奥」に配置されることが多くなります。

こんな感じです


みんなが集まるリビングを、一番条件のいい快適な場所に持ってくることがほとんです。
そうなると、寝室や子供部屋は奥に配置せざるを得ないことになります。
寝室は夜寝るだけだから、子供はリビングで勉強することがほとんどだから、ということで特に日当たりを気にしない方もいらっしゃいますが。


日当たりは、昼間の家にいるときだけを考えればいいわけではありません。
朝目覚めるときに薄暗い部屋では気持ちよく目が覚めないということもあります。
常に日の当たらない西北は水はけが悪くいつもジメジメしているということもあります。
西日がガンガンにあたる部屋は夏の夜に室温が高くなることも考えられます。
直接日が当たるかどうかだけでなく、
敷地にたいしてどこに配置されるかということは、その部屋の居心地にとても影響します。
西や北に開けた土地で、風通しがいいとか眺望がいい土地なら、必ずしも西北が悪いわけではありません。

では、どうしたら奥の部屋でも居心地のいい部屋になるでしょうか。


広大な敷地でどの方角も隣地からの距離が十分にあるならいいですが、
たいてい2方向、なかには3方向を建物が近いということがあります。
そういう場合は、あえてL型やコ型の建物にして小さな空間をつくるという方法があります。

こうすると、窓の前がすぐ建物でなんだか暗い、ということを防ぐことができます。
中庭をプライバシーの確保された庭にしたり、あえてバックヤードにしてアウトドア用品置き場や庭仕事につかったり。
方角や周りの建物の状況によっては、奥の小さな空間でも意外と日が当たって洗濯物が乾く!ということもあります。

ただし、L型やコの字型といった建物は構造的にはあまりバランスがよくありません。
きちんと計算をして構造強度を確保した間取りをつくる必要があります。

平屋の間取りこそ、敷地や周囲の状況をよく観察して見極め、居心地のいい部屋をいかにつくるか、設計士の実力が問われます。
たんに、必要な部屋数を敷地内におさまるようにレイアウトすることが「間取り」ではありません。
平屋の家を建てたいと思っているなら、敷地の悪条件をカバーして居心地の良さを生み出すような設計をしてくれる会社を見つけましょう。

ここで1つ注意を。
奥に配置された日当たりの悪い部屋に、安易にトップライトをつけることは、私はお勧めしません。
なぜなら、雨漏れのリスクが高いからです。
そして夏はとても暑くなります。北に向いてる屋根であっても真夏は直射日光が入ります。
寝室にトップライトはおすすめしません。

②廊下のある間取りになりやすい

面積の無駄をなくして動線のいい間取りにするには、
廊下をできるだけ少なくすることがポイントです。

廊下はどういうところにできるかというと、
玄関からリビング、リビングから個室、個室からトイレなど水回り
というルートです。
リビングから直接水まわりに入ったり、リビングから直接個室に入ったり、廊下をなくす間取りは近頃増えています。
平屋は、階段という移動のショートカットがない分、すべてが横移動ですので廊下ができやすくなります。


リビングから直接トイレはいやだな、とか、リビングと夫婦の寝室が隣り合ってるのはいやだな、といった、ここは離したいと思う部分は、廊下のようなワンクッションおける空間をつくるほうがいいでしょう。

平屋のメリットとして、個室から玄関までの動線の短さがあります。
朝出かけるときに、1階2階を行ったり来たりしなくてもいいというのは楽ですよね。
でも、玄関から個室までがリビング通って廊下も通って、となるとそのメリットが薄れる気がします。


ポイントは玄関の位置です。
平屋の場合、玄関は間口の中央にあるほうが断然動線が短くなります。
特に、リビングと寝室を離したい場合はこのレイアウトはうまくいきます。

③防犯上不利になりやすい

空き巣などの侵入者が家のどこから入るかご存じですか?

無施錠のドアに続いて多いのが窓です。
1階の死角になる位置の窓です。
平屋は当然すべて1階ですので、それだけ死角になる窓が多いということです。
表から人目につかないところに入り込んでしまえば、泥棒は窓を割って入ってきます。
住宅の防犯対策にはこのようなものがあります。


■防犯ガラス
 ガラスとガラスの間に樹脂膜が入った合わせガラスです。断熱のためのペアガラスの場合は、2枚のうちの室内側のガラスが防犯合わせガラスになります。
樹脂膜の厚さによって、ドライバーで割れないもの、バールで割れないもの、など防犯性に違いがあります。
道路からは見えない、お隣との間の狭いところに面した窓など、死角になりやすい窓は防犯ガラスにするとよいでしょう。


■二重ロック、ピッキング対策キー
玄関や勝手口が人目につかない位置にある場合、ここから侵入することも考えられます。
侵入犯は、鍵穴に工具をいれて解錠してしまうピッキングといわれる方法で侵入します。
今住宅を新築する場合、玄関ドアや勝手口の多くは、鍵穴が2か所あって、鍵もディンプルキーといわれるピッキングに強いものではあります。
ただ、どんなに鍵を強力にしてもかけ忘れたら意味がありません!
そして、侵入犯の多くはかけ忘れたところから入ってきます。
ご注意を!

③水害の影響が大きい

この数年、豪雨や台風による水害が増えています。
気候が今までの日本とは変わってきていると感じているのは私だけではないと思います。
河川が増水する時だけでなく、集中豪雨の場合、土地が低いところは増水して床上浸水がおこります。
みなさんは、お住まいの地域、これから住もうとしている地域の、ハザードマップを見たことはありますか?
これから家を建てるなら、必ず見てほしいものです。

2階建てより平屋のほうが水害の時の危険性は高いです。
2階の窓から助けを求める人をニュース映像で見た記憶のあるかたも多いでしょう。
1階が浸水しても2階に逃げれば救助を待つことができます。
ぜひ、ハザードマップを確認してくださいね。

⑤建築費が2階建てより割高

意外に思う方が多いのですが、同じ面積の場合、2階建てより平屋のほうが割高です。
基礎と屋根の面積が増えるからです。
2階建てで階段が増えた増額分より、基礎と屋根の費用のほうが高いんですよね。
もうこれは、平屋にした人の宿命です!
少しでも建築費を少なくしたい!でも面積は削れない!というなら、平屋より2階建てのほうがいいでしょうね。
どうしても平屋がいい!平屋の魅力にはまってしまった!
という人は、がんばって他で費用を抑えましょう。



平屋っぽいけど実は2階建て、というプランもできます。
子供部屋だけを小さくして2階にもってくると、
見た目は平屋にみえるけど、実は2階がある、ということができます。
小屋裏部屋みたいな感じですね。
平屋におさめるにはどうしても敷地が狭い、とか、がっつり2階建てにするほど2階に必要な部屋が多くない、という場合にこの方法を使うことがあります。
ただ、構造の組み方がちょっと特殊になるので、そのあたりを考慮した設計が必要です。

5つのポイントをご紹介しましたが、いかがですか?
デメリットはあるものの、それをカバーすることができればメリットも多い平屋です。
平屋に限ったことではありませんが、敷地をよく読むということが平屋では特に重要です
隣地の状況、日当たり、風通しを無視して、必要な部屋をレイアウトしただけの間取りでは、居心地の悪い部屋ができてしまいます。
アイデアが豊富で、さまざまな条件を考慮してくれる設計士さんに頼みたいものですね。


敷地がある程度広くなければできないので、憧れの平屋、と言われたりもします。
かっこいい平屋ができたら、毎日おうちに帰るのが楽しみになりそうです。
いろいろ工夫して、居心地のいいあなただけの自慢の家を実現してくださいね。

平屋にしたいけど、でてきた間取りだとちょっと不安だわ、と思った方、
セカンドオピニオンで間取り相談を受け付けています。

注文住宅の迷いや不安を解消・間取り相談セカンドオピニオン

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人気の平屋!そのメリットを活かした間取りとは

平屋の間取りがここ数年人気です。

建物面積を小さくして高性能な家を建てる方が増えていること、
夫婦二人の家が増えていること
などが理由だと思います。

平屋で建てるなら、平屋のメリットを活かした間取りにしたいですね。
2階建てとは一味違う、平屋のメリットをご紹介します。
平屋を検討している方、土地が広くて平屋が可能な方、
参考にしてくださいね。

この記事はこのような方に向けて書いています。
◎間取りが自由に変えられる注文住宅検討中の方
◎ローコストではない注文住宅検討中の方
◎家づくりについてちょっと調べはじめた方
◎高級ではないけど自分たちで考えてオンリーワンの家づくりをしたい方
◎いくつかハウスメーカー行ったけど納得いく間取りになっていない方

この記事をかいている私は、一級建築士として地元の住宅メーカー数社に勤務後、
2013年に独立、今は地元の工務店さんの外注の建築士として家づくりをしています。
今まで携わった設計は300棟ほどあります。
特別こだわった高額な注文住宅ではなく、35坪2500万円くらいの注文住宅がほとんどです。
みなさんそれぞれの要望をかたちにしたオンリーワンの注文住宅です。
多くの注文住宅をみてきた私の経験を、これから注文住宅を建てるかたに役立ててほしいと思っています。

平屋ならではのメリットとは?

まずは平屋の間取りのメリットをあげてみます。
 ①上下の移動がなくて生活が楽
 ②将来のバリアフリーに適している
 ③メンテナンス費用が抑えられる
 ④天井高を高くできる
 ⑤キッチンの天井や壁に木を自由に使える
 ⑥平屋ならではの外観のカッコよさ

特に④⑤⑥は間取りや見た目の良さを考える時に活かしたいことです。
何も考えずにつくってしまうとせっかくのこのメリットが活かされません。

それでは順番にみていきましょう。

①上下の移動がなくて生活が楽

家の中で階段の上り下りがないのは楽ですよね。
洗濯物を干すのに2階へあがる、掃除機を持って上がる、出かける時に忘れ物を取りに2階にもどる、
など、あー2階に行くのメンドウ!って思った経験があるかたも多いのでは。
2階建てでも寝室は1階にしたい、という方は時々いらっしゃいます。
朝の身支度の動線が短くなり楽ですから。
家事の中でも洗濯は、洗濯する→干す→取り込む→しまう、この一連の動線が短くなるのも平屋の良さですね。

②将来のバリアフリーに適している

若いうちは上下の移動はそれほど気にならないかもしれません。
でも年をとってくるとやはり階段は負担です。
元気な時はいいですが、体調を悪くした、ケガをした、という時は階段は思いのほか苦労する、という年配の方は多いです。
それから、2階建てでは2階に寝室や子ども部屋があることが多いですよね。
お子さんが独立して空き部屋になった時、子ども部屋をどうするかという問題がおこります。
ご夫婦それぞれの趣味の部屋にされる方が多いですが、
年をとって2階にあがることが面倒になると、せっかくの部屋に行く回数も減ってしまいます。
また、リフォームも、2階建ての1階部分の間取りを変えることは構造耐力的に難しいことが多いですが、
平屋では比較的間取りの変更はやりやすいのです。
将来は個室をつなげて広々使う、ということもできるかもしれません。

③メンテナンス費用が抑えられる

家は一度建てたらよし、ではありません。
必ずメンテナンスは必要です。
その中でも、外壁のメンテナンスは高額になります。
20年くらい経つと外壁は劣化します。
雨の浸水を防ぐ意味で外壁の塗り替えなど、メンテナンスをする時期です。
その際、足場が必要になりますが、2階建てより平屋の方が足場費用は安くなります。
雨樋の掃除も脚立があれば自分たちでできますしね。

④天井を高くできる

2階建ての場合、リビングダイニングは1階にあることが多いですよね。
開放感のある部屋にしたい場合、吹抜けにしたり、天井高を変えるために構造を工夫する、など、費用のかかることが必要になります。
平屋の場合は2階がない分、天井高を高くすることは簡単にできます。
屋根のかけ方にもよりますが、勾配天井にすることもやりやすいです。
天井高が高い部屋の開放感は、魅力的ですね。
隣の建物が近いとか、人通りの多い道に面しているなど、目線の窓をいつもカーテンをかけていなきゃいけないことがあります。
そういう場合は、天井を高くして窓を高い位置に設けると、いつもカーテンをしている窮屈さがやわらぎます。

⑤キッチンの壁や天井に木を自由に使える

内装制限といわれる法律があります。
2階建ての1階などで火を使う部屋は、天井と壁を燃えにくい素材にしないといけない、というものです。
ですから、ガスコンロのあるキッチンでは、自由に木を貼ることができません。
燃えにくい素材にする⇒木を貼ることに制限がある、ということです。
絶対使えないわけではありません。ちょっとややこしい計算をしてクリアできれば使えます。
この内装制限、2階建ての2階や平屋では適用されません。
なので、平屋では心置きなく天井や壁に木を使うことができます。
木を貼ってナチュラルな雰囲気にしたり、高級感をだしたり、クロス貼ではできないおしゃれな空間ができます。

⑥平屋ならではの外観のカッコよさ

平屋は建物全体の見た目が多くの場合横長になります。
この横長で屋根がのびやかに広がる様はなんともいえないカッコよさがあります。
どっしりとした安定感、自然に溶け込むのびやかさ。
シンプルな形になりがちなので、逆に素材感を活かしたいですね。
とくにお勧めは、屋根の軒を大きくだすこと。
ローコストの家では軒をださないことが多いですが、雨漏れも多くお勧めできません。
コストをさげるためだったり、シンプルなスタイルにするなど、屋根の軒を小さくする傾向がありますが、
軒は長いほうがだんぜんかっこいいです。
横にのびやかな平屋ならなおさらです。
軒の短い家が増えている中、軒の長い家は目を引きます。
平屋ならではのカッコよさをぜひ目指してください。

いかがでしょうか。

ある程度広い土地じゃないと、平屋はなかなか建てられません。
ということもあって「憧れの平屋」なんて言われます。
平屋を建てるかたは、そのメリットを活かした住みやすくかっこいい家にしてくださいね。

今ある間取りがピンとこない、
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あちこちみて回ったけどどこも決め手がない、
納得する家づくりをしたいので第三者の意見を聞きたい

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間取りが決まらないモヤモヤを解決する方法

注文住宅の計画では、間取りづくりに一番時間がかかるとよく言われます。

「間取りがなかなか決まらない」

これってどういう状態かというと、
もらったプランが全然要望を満たしていなくて不満、ということではないんですよね。
要望を満たしていないようなプランだったら、悩む前に候補にもならないですもんね。

◎言った要望は「ほぼ」満たされてるけど、すっきりしない。
◎こっちはこれができて、もうひとつはあれができていて、どっちも捨てがたい。
◎伝えたことは満たされてるけど、そもそもそれでいいのか不安。

点数でいうと、75点、といったところでしょうか。
95点だったら合格だけど、75点だと不合格とも合格ともいえずモヤモヤしそうです。

そんな間取りのモヤモヤを抱えている時、どうしたらすっきり納得できる間取りができるのか、その方法をお伝えしますね。

私は今まで300軒くらいの家づくりをしてきました。
地域密着の住宅会社にいたので、特別に目を見張るような作品とよばれる家ではなく、35坪2500万くらいの注文住宅です。
みなさんあれこれと要望を出されてそれぞれにオンリーワンの家づくりをしています。

日頃間取りをつくっている中で、ほぼできあがっているけどもう一歩ということはよくあります。
お客様にお見せする前に私自身が納得しないこともあれば、
お客様が迷われることもあります。

そういう時にどうやって解決していっているか、ご紹介します。

間取りがほぼ出来上がっているけどモヤモヤしている時、
陥りがちなことがあります。

【できていないことにこだわりすぎて要望の源が見えていない】

いくつかのできていないことを、今の間取りに無理やりパズルのように当てはめようとするんですよね。
そのやりかたはどうしても無理やり感が残るのでモヤモヤするのです。

おそらく、この段階まで間取りがすすんでいると、大きくレイアウトから気に入らない、ということはないと思います。
あと少し、ピンポイントで気になる部分がいくつかあるのではないでしょうか。

例えば・・・

☑ここの収納は1間幅で欲しいけど半間しかない
☑勝手口までがちょっと遠い
☑ダイニングをもうちょっと広くしたい
☑キッチンと洗面脱衣が隣同士じゃない

こういう具体的なモヤモヤしてる要望があると、そこばかりが気になって、その部分だけを動かしてなんとかしようとしちゃうんですよね。

そういう時は
①細かく掘り下げる
②ざっくりと引いて見る

という一見真逆のことをすると、解決策が見えてきます。

では、上の例に合わせてみていきましょう。

①モヤモヤしている要望を掘り下げる

1間幅ほしい収納はなぜ1間幅必要なのか。
そもそもそこの収納は何をいれるのか、なぜそこに収納を欲しいのか、どういう時に使う物を入れるのか、1間じゃないと入らない物があるのか。
そうやって掘り下げると、1間じゃなくてもいいかもしれないし、その場所じゃなくてもいいかもしれません。

勝手口がそこに欲しい理由はなんでしょうか。
勝手口を使うのは、ごみ出しの時、買い物から帰ってきた時、洗濯ものを干す時、が考えられます。
勝手口を使う時のベターなルートはどこなのか。ベストじゃなくてベターです。
ゴミ集積場に近いところがいいのでしょうか、それは違う面でも大丈夫でしょうか。
キッチンから出ることにこだわってるなら、それは洗面所からじゃダメなのか。
北面から出ることにこだわってるなら、西面じゃダメなのか。
勝手口を欲しい理由を掘り下げて、今の位置にこだわらずに場所を考えてみると、今とは違う位置が見えてくるかもしれません。

ダイニングをもうちょっと広くしたい理由はなんでしょうか。
ゆったりとした気分で食事をしたいからでしょうか、
物があふれるから収納を置きたいからでしょうか。
感覚的に広さを求めて居心地をよくしたいなら、窓を大きくするとか、天井を高くするとか、視覚的効果で広さを演出することはできます。
収納が必要ならそれはそもそも本当に必要な収納かどうか考える必要もあります。
収納するものによってはニッチ棚ですむかもしれません。
リビングにいるよりダイニングで食事の後そのまま過ごすことが多いなら、
リビングのソファを無くしてしまうという手もあります。

キッチンと洗面脱衣室が隣だと、家事動線が短くなって楽になりそうですよね。
「家事動線を短く」というのはよいプランの条件ともいえます。
では、そもそも、家事動線って?
洗面脱衣室には洗濯機があることが多いですね。
キッチンと洗面脱衣室が隣だと、朝食の準備かたづけと洗濯を同時にするのに便利です。
それは必ずしも隣じゃないとだめでしょうか?
間に廊下があったとしても、直線に配列されていたらほぼ隣といってもいいのではないでしょうか。
キッチンと洗面脱衣室が近いことよりも、洗面脱衣室と洗濯物干し場が近いほうが、動線は短くなることも考えられませんか。

あれが欲しい、これがない、というピンポイントの要望に固執していると、その要望の源を置き去りにしてしまいます。
叶えたいのは、その源にあるはずです。

要望を伝える時、あれが欲しいです、こうしたいです、と直接的に伝えるのは効果的ではありません。
大事なのは、要望の理由や目的を伝えることです。

ダイニングでは食事の後にゆったり過ごしたいんです。
だから広めがいいと思っています。

勝手口からゴミ出しするので、キッチンからゴミ置き場までを楽にしたい。
だから勝手口は道路に面したところがいいと思っています。

朝食の準備とかたづけしながら洗濯するので、キッチンと洗濯動線を近くしたいです。
だからキッチンと洗面脱衣室は隣がいいと思っています。

具体的な要望を掘り下げて、その理由を伝えることで、あなたが望む間取りへの解決策がでてきますよ。

②ざっくりと引いて見る

気になる要望があると、間取りの中のその部分をいじってなんとかしようとしがちです。ジグソーパズルのように。

そうやって無理やり解決しても、どこか無理におさめた感じになるのでいつまでもモヤモヤは残ります。

そういう時は、いったん今の間取りを脇に置きます。そして、気になる部分を抜き出して、ざっくりとレイアウトを考えてみます。

勝手口の位置が気になるなら、勝手口につながるキッチン⇒勝手口⇒ごみ置き場、のレイアウトをいろいろつくってみます。
その時に意識するのが、①で掘り下げた理由です。
そうすると、勝手口はこっちでもいいかも、ごみ置き場はこっちでもいいかも、っていろいろなパターンが見えてきます。

収納を考える時も、その収納に何を入れるか、それはどこで使うものなのか、を考えます。使う部屋に対してどの位置に収納があればいいか、そのくらいの大きさで足りるか、いろいろ書き出してみます。

①堀り下げることも②引いてみることも、どちらも
モヤモヤしてる要望の源を見つめ直す作業です。
あれが欲しい、こうしたい、の源となることを叶えなければ、家づくりは満足したものになりません。

間取りがなかなか決まらない、間取り迷子になっている、そんな時はその源がどこかにいってしまいがちです。
だから、モヤモヤするんです。
あなたが本当に叶えたいことを再度考えてみましょう。

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