Tag Archives: デザイン

ミナペルホネンの皆川明さんの講演を聞いてこれからのものづくりについて考えた

大好きなミナペルホネン、皆川明さんの講演に阿久比町に行ってきました。

なぜ知多半島の片田舎、阿久比に皆川さんが来たのかと言うと。それはコチラ↓

ナガオカケンメイさんと皆川さんのゆるーい感じのトークでしたが、話している内容は深かった!

今のように次々と物がつくられ消費される社会は負荷が大きいことは明らか。1の単位でつくった物は1の単位で消費される。2の単位で作った物は2の単位で消費される。社会にある物の量を減らすことができる。2の単位で作った物のほうがたいていの場合、質がよい。物を長く留めておくことができる。

受注会をやる理由は、作りすぎないで済むから。

物を長持ちさせるかどうかは、物の質よりも感情によるところが大きい。丈夫につくったからといって長持ちするわけじゃない。つくっている人の愛着の度合は、長持ちするかどうかの影響は大きい。

自分次第の愛着。愛着の多様性。

話の中で「パソコンを持っていない」と皆川さんがおっしゃって。そのことを会場の方が「なぜパソコンをもっていないのですか」と質問したら。

「つくることに必要ないから」

と即答されました。「手描きじゃないと。緊張感がね。パソコンは消せるでしょ」

「知る」ことの重要度が増すと「考える」「創造する」ことが減る、ともおしゃってました。パソコンでなんでも検索できて大量の情報に触れることができるのは、ある意味振り回されてるのかもしれません。

皆川さんのデザインは、その手描きの風合いがなんとも言えずかわいらしさとモダンさがあります。時代を超えてその魅力は古くならない、そういう世界観があります。

ものづくりの姿勢、愛着をもってもらえるものづくり、これからのものづくりの在り方、そんなヒントをいっぱいもらった講演でした。

いやーーーー、いい刺激いっぱいもらいました。

会場は、ミナペルホネンの洋服やバッグを持った方があちこちに。

たぶん、こういう講演にくる人は物を愛着をもって使うということに価値を感じている人が多いだろうけど。世の中の大半の人は100均でいいしコンビニでいいしイオンでいい、っていう人たち。そういう人が多い社会で「2の単位で物を作り2の単位で物を使う」という社会に転換できるのだろうか、と思う。

そういう社会にするために必要なのは、売り方なのか、デザインなのか、プロモーションなのか、ブランディングなのか、製造方法なのか、教育なのか。

少ないものを愛着をもって丁寧に使う、という暮らし方が「趣味嗜好のひとつ」のようになっているけど、そうじゃなくて。そういう生活が基盤、という社会にどうしたらなるのだろう。大量の物や情報が次々とくる社会は常に何かに追われてる空気感をつくる。それは人にとって優しい空気じゃないと思う。

ロングライフデザイン

d&departmentのナガオカケンメイさんの講演を聞きに阿久比町へ。

故郷である阿久比(あぐい)に新しい形態のお店をつくるそうです。

d&departmentとは「ロングライフデザイン」をテーマとするストアスタイルの活動体です。47都道府県に1か所ずつ拠点をつくりながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介する活動を行っています。(以上HPより)

d NEWS AGUI をつくるためのクラファン
https://readyfor.jp/projects/dnews_aichi
ものづくり、デザイン、工芸、地方創生、そんなことに興味あるかたはぜひ!

工芸作家さんや伝統工芸とはまた違う、デザインや意匠だけでなく、作られ方売り方まで考慮して長く作られ使われるものづくり。作家の名前がでるのではなく、作品といわれるのではなく。

私は工芸品も好きだけど、どちらかというと作家さんの名前うんぬんより、地場産業のような職人さんの地道なものづくりのほうが興味があります。

作家ものっていうと一部の趣味の人のものになりがちだけど、産業として成り立ってほしい、生活に根づいていてほしい、と思うから。

安価で手軽な使い捨ての大量生産大量消費な物の買い方使い方ではなく、作り手の意思のあるものづくり、その意思を理解して買う、長く大事に使う、そういう生活をしたいと思っています。

そして、そういう活動を応援したいし、私も何かしらのことをしたい。

「阿久比の文化度を上げる」

そういう言い方をナガオカさんがされてました。「文化度」なんとなく言わんとすることはわかります。

文化度、メッセージ性、哲学、意志、コンセプト・・・

物の、機能としての役割以上の何かを得られるもの。

そういうことを大事にしていきたいし、私もそういう設計をしたいと改めて感じました。

参加者全員に配られたおみやげのどら焼き。地元の和菓子屋さんのもの。地方にも田舎にも、おいしいものはある。