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暖房器具は何が最適だと思いますか

11月に入っていよいよ冬が近づいてきましたね。

暖房器具、みなさんは何を使っていますか?

夏の冷房はエアコンか扇風機と選択肢が少ないのですが、冬は、エアコン、コタツ、ホットカーペット、石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、床暖房、薪ストーブ、石油ストーブ、パネルヒーター、などとても選択肢が多いです。

形態もエネルギー源もさまざま。風がくるもの、部分的に温まるもの、すぐに温まるもの、なかなか温まらないもの、などなど。

この中で、一番エネルギー効率がいいのがエアコンです。

エアコンて、優秀なんですよ。

設定温度に対しての消費エネルギーという観点では。お金もかからない、はずなんです。

ただ、上から温風がくるだけなので体感としては正直言って心地よくない、と思う人が多いのではないでしょうか。乾燥するし足元寒いし。体感が暖かくならないので設定温度を上げで強風にする、ってやっていると電気代が高い、と思うのではないでしょうか。

石油ファンヒーターやガスストーブはすぐに温まるという点はいいのですが、なにしろ空気がすぐ汚れますね、換気をよくしないと。最近の家は特に高気密をうたっていなくても気密性は昔に比べれば高いので、本当に注意が必要です。

床暖房に憧れる人は多いですね。新築でも床暖房を希望する方は多いです。使っている方も、床がじんわり暖かいあの感覚はとても快適という方は多いです。ただ、消費エネルギーはとても大きいというのが難点です。それと、費用の面でも安くはないですね。

薪ストーブ、これも好きな人にはたまらないものですね。設置する費用も安くないし場所もとるし、薪の調達も苦労するしお金もかかるし、煙突掃除も必要、・・・。かなりの労力を必要としますが、持っている人はそういうことは苦にならないのだと思います。それを苦にする人なら最初から取り付けないでしょうけど。炎を見る心地よさと朝起きた時のじんわり残るあたたかさはとても気持ちいいようです。

パネルヒーターも通販などでよく見ますが、空気を汚さずじんわり暖かくなる、のはいいのですが、これだけで部屋全体が暖かくなるのは難しいと思います。エアコンの補助的なもの、として使う方が多いのでは。

コタツは、足元が暖かいあの心地よさは何とも言えないものがありますが。温めるのは足元だけ、部屋が温まるわけではないので、他の何かを併用してる方が多いと思います。

これだけあっても、これが一番!と言える物がないのが暖房器具なんですよね。

エアコンの効率の良さで足元が暖かければ、かなり優秀なものだと思いませんか。

それを叶えたのが、床下エアコンですね。通常のルームエアコンを床下に向けて温風が出るように設置します。床下に暖かい空気を送り込み、床にところどころ空気が出てくるガラリをつくり、暖かい空気は上に上がってくるのでそのガラリから温まった空気が出てくる。という仕組みです。
床暖房のような効果をエアコンで叶える、という仕組みです。
私はまだ設計した物件でこれを採用したことはないのですが。施工したお宅を見学したことがありますが、なかなかに快適でした。

いずれにせよ、冬の暖房で気を付けたいのが、空気の汚れと部屋ごとの温度差です。

人が集まるリビングはエアコンやストーブで暖かいけど、廊下やトイレや洗面脱衣は暖房器具がないから寒い、というが当たり前に思っているかもしれませんが、それは体にとても悪いことです。高齢者や血圧の高い人にとっては危険なことです。

それを防ぐにはとにかく高断熱が必要です。どんな暖房器具にしようと、まずは高断熱は必須です。

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嘘はないけど住宅会社によってこんなに言うことは違います

いくつかの工務店と仕事していてよく思うのが、会社によって気にするところが本当にマチマチだということです。

ある会社から、○○についてよくお客様から聞かれるので詳しく教えて欲しい、と言われるけど他のところでは全然触れることもないとか。

ある会社ではかなり細かく図面をつくる部分が、他の会社では最低レベルでしかも下請け業者さんに丸投げとか。

つきあいのある工務店のベテラン営業さんに、「ほかのところだと○○についてお客さんからよく質問されるって言われるけど、そんなことないですか」って聞くと「その話題にならないように話す」っていう、ベテランらしい答えが返ってきました。

私の知っているどの会社も、決して質の悪い低価格住宅をつくっているわけではありません。

嘘もごまかしも手抜きも法律違反もないけれど、予算内の労力でおわる効率を求めて作る側の都合で考えた「いい家」をつくってるってことです。

なので、会社によって細かく説明する部分も違うし、これで大丈夫ですよっていうレベルも違うし、これが標準です、っていうレベルが違うんです。

家づくりのすべてのこと、家そのものの性能や素材についてだけじゃなく制度や税金や保証についても、本当にすべてのことを追求して性能アップを目指し細かく説明してくれるところってたぶん無いと思います、たぶん。なぜなら、それをしていたらとてもじゃないけど設計料30万円じゃ納まらないし、年収400万のサラリーマンに手の届く家がつくれないからです。

だからといって説明されないことをスルーしたままでいいわけではありません。すべてにお金をかけて最高水準の家をつくることは一般庶民にはほぼ無理だと思います。だからこそ、どこにお金をかけて性能アップを目指すのか、今後のメンテナンス費用はどうなるのか、どういう制度を利用すると税金も保険も含めて総費用が抑えられるのか、それを施主自らが知って選択する必要があると思います。

そのためには、家づくり全体の知識が必要です。つくる側の都合で考えた「いい家」があなたに合っているのか、それを見極める必要があります。

なかなか素人がそれをするのは難しいです。なので、日頃家づくりをしている建築士の目でそのアドバイスをいたします。

営業さんから説明されないことを聞きだすための質問の方法、見落としのないようにするチェック項目を教えます。

どうぞお気軽にお問合せください。

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これからの防災のための住まいとは

愛知建築士会女性委員会で防災セミナーを開催しました。

講師は名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫先生です。

著書も講演も多くメディアにも登場する福和先生の歯に衣着せぬ語り口をご存知の方もいらっしゃることと思います。

阪神淡路大震災の後、神戸の街はかなりのスピードで復興してきた。東日本大震災、熊本地震では、神戸ほどの復興がなされていない。それは、今の日本には復興できる国力がない、多くの建物は崩壊したらそれを元通りにする力がない。人口が減り行政や消防に携わる人間が減っている、地方が疲弊している、その傍ら災害は威力を増している、もはや避難所で生活して支援も待つのではなく、家自体をシェルター化する必要がある。コロナ禍で新しい生活様式となり今までのような避難所が難しくなった今、自宅のシェルター化はますます必要になってくる。

歴史的に見ても大地震が何度も起きている日本、それなのに壊れたところにまた同じような建物を建てたり、経済的なこと効率的なことを優先した建て方をしたり、川沿いに高層マンション建てたり、建築界は何も学んでいない。

家を建てる場合「地震のこと考えて強い家を建ててくれるのは当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

建てる依頼先によって考えや手法はまちまちです。どんな建物でも順守しなければいけない建築基準法で決められている強度は、最低レベルでしかありません。耐震等級という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは法律で必須になっているものではありません。耐震等級3というのが今の木造建築では最高等級になりますが(これ以上の強度を示す指標がないというだけで最高の強度ということではありません)、これを標準化しているところは多くはないように思います。特に大工さんや弱小工務店に依頼した場合は。

もっというと、建築士という資格をもっていても耐震等級の計算ができない人も多いですし、どういう間取りが耐震等級3になるか理解していない人も多いです。

耐震等級3にするなら、間取りを考えながら強度を維持することを考えなければ難しいです。でも、そうではない間取りも少なくないのです。

「お客さんがそこまで言わないから。」というのは建築業界の言い訳だと私は思います。

耐震等級3がどうしたら設計できるかわからないような人が間取りをつくる、そんなことがない住宅業界にしたい。なんだか日本の住宅業界のレベルの低さに悲しくなりますが。

これから家を建てるなら耐震等級3は必須です。それをごにょごにょ言うような会社にはどうか依頼しないでください。

それから、中古住宅の場合、昭和56年前だと耐震改修したほうがいいですよ、という言い方をしますが、昭和56年以降は安全かというとそうではありません。現在の耐震基準は平成12年のものです。阪神淡路大震災以降、法律が変わりました。
昭和56年以降平成12年前の建物についてあまり言われることがないのですが。おそらく今中古として流通している物件にこの頃のものは多いのではないかと思うのです。
上っ面のリフォームだけで見た目だけきれいにして、弱い建物のまま、という物件が増えている気がします。

中古を考えている方は「昭和56年以降だから大丈夫ですよ」という言葉を安易に信じないでくださいね。平成12年より前の建物は要注意です。

どうか見た目にこだわる前に、まずは中身にこだわってお金をかけてください。

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