よつば暮らしデザイン室

ブログ

Monthly Archives: 10月 2020

これからの防災のための住まいとは

愛知建築士会女性委員会で防災セミナーを開催しました。

講師は名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫先生です。

著書も講演も多くメディアにも登場する福和先生の歯に衣着せぬ語り口をご存知の方もいらっしゃることと思います。

阪神淡路大震災の後、神戸の街はかなりのスピードで復興してきた。東日本大震災、熊本地震では、神戸ほどの復興がなされていない。それは、今の日本には復興できる国力がない、多くの建物は崩壊したらそれを元通りにする力がない。人口が減り行政や消防に携わる人間が減っている、地方が疲弊している、その傍ら災害は威力を増している、もはや避難所で生活して支援も待つのではなく、家自体をシェルター化する必要がある。コロナ禍で新しい生活様式となり今までのような避難所が難しくなった今、自宅のシェルター化はますます必要になってくる。

歴史的に見ても大地震が何度も起きている日本、それなのに壊れたところにまた同じような建物を建てたり、経済的なこと効率的なことを優先した建て方をしたり、川沿いに高層マンション建てたり、建築界は何も学んでいない。

家を建てる場合「地震のこと考えて強い家を建ててくれるのは当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

建てる依頼先によって考えや手法はまちまちです。どんな建物でも順守しなければいけない建築基準法で決められている強度は、最低レベルでしかありません。耐震等級という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは法律で必須になっているものではありません。耐震等級3というのが今の木造建築では最高等級になりますが(これ以上の強度を示す指標がないというだけで最高の強度ということではありません)、これを標準化しているところは多くはないように思います。特に大工さんや弱小工務店に依頼した場合は。

もっというと、建築士という資格をもっていても耐震等級の計算ができない人も多いですし、どういう間取りが耐震等級3になるか理解していない人も多いです。

耐震等級3にするなら、間取りを考えながら強度を維持することを考えなければ難しいです。でも、そうではない間取りも少なくないのです。

「お客さんがそこまで言わないから。」というのは建築業界の言い訳だと私は思います。

耐震等級3がどうしたら設計できるかわからないような人が間取りをつくる、そんなことがない住宅業界にしたい。なんだか日本の住宅業界のレベルの低さに悲しくなりますが。

これから家を建てるなら耐震等級3は必須です。それをごにょごにょ言うような会社にはどうか依頼しないでください。

それから、中古住宅の場合、昭和56年前だと耐震改修したほうがいいですよ、という言い方をしますが、昭和56年以降は安全かというとそうではありません。現在の耐震基準は平成12年のものです。阪神淡路大震災以降、法律が変わりました。
昭和56年以降平成12年前の建物についてあまり言われることがないのですが。おそらく今中古として流通している物件にこの頃のものは多いのではないかと思うのです。
上っ面のリフォームだけで見た目だけきれいにして、弱い建物のまま、という物件が増えている気がします。

中古を考えている方は「昭和56年以降だから大丈夫ですよ」という言葉を安易に信じないでくださいね。平成12年より前の建物は要注意です。

どうか見た目にこだわる前に、まずは中身にこだわってお金をかけてください。

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窓の外を眺める時間がありますか?

同じ間取りでも空間の豊かさを感じる家と単に実用的なありきたりな家、その違いはどこからくるのでしょう。

空間は何からできているかというと、床・壁・天井・窓です。

壁紙をどうするか、照明をどうするか、ということはどちらかというと装飾であって、その前に、空間を構成する要素をどう組み合わせて作り上げるかということで空間の豊かさは決まってきます。

建築とインテリアコーディネートの根本的な違いですね。

その中でも、窓、これをどう配置してつくるかはとても影響が大きい気がします。

ここから出入りするから掃き出し窓をつくる、ここはトイレだから小さめの窓にする、ということではなくて。

窓は、外と内を繋げるもの。

内側である空間に外をどう取り入れるか、そこから考える必要があると思います。

大きな掃き出し窓をつくっても外からの視線を隠すために一日中カーテンが閉めてあるのなら、視線が入らないところに空が見える窓をつくるとか。

外が見えるといっても隣の壁だし、っていうならば、植栽を配置して光庭をつくるとか。

特別に眺望がいい場所じゃなくても、1ヶ所くらいは空を眺める窓があると何気ない風景に目を奪われて心がほっとする時間になります。

単に、見た目のカッコよさで細長い窓にするとかじゃなくて。外がどう見えるか想像力を働かせてみましょう。

私が子供の頃の勉強机の横に南に面した窓があって。隣の家の塀が目の前だったのだけど空は見えたんですよね。空が明るいなぁと思って外を眺めるときれいな満月だったり。そうやってよく月を見てました。今でも静まり返った深夜に月を眺めるのが好きです。

豊かな空間は豊な時間をつくる。そういう時間が日常にあるだけで心が穏やかになると思います。

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物が増えにくい間取りの考え方

間取り打合せやセカンドオピニオンでよくある質問で

「この間取りで収納って足りるでしょうか、使い勝手はどうでしょうか」という質問です。

まず第一に、今のお住まいでの収納を見直してください。そもそも収納場所に使ってないものが押し込まれているのに、収納できなくてはみ出ているものがあって、「収納が足りない」って言っていたら。それこそ本末転倒です。
自分たちの暮らしにどれくらいの量の活きた物が必要か、把握することができなければ適切な収納はわかりません。活きた物ですよ。使うかどうかわからないけど溜め込んでおく物は無いという前提です。

納戸をつくりたがる人がいますが、基本的に納戸はつくらないほうがいいと私は思っています。あれを上手に使いこなせる人は相当な収納上手です。ほぼ間違いなく、使わないものを溜め込んでおくデッドスペースができてしまいます。
納戸が欲しいと言う人はたいてい、何をしまうかはわからないけどなんでもしまえる場所が欲しい、という典型的な物溜め込み派ですね。

収納の基本は使うところの近くに収納場所をつくるということです。
なので、どこで何を使うか、その量はどれくらいが適量か、それを考えて収納を決めていきます。

玄関収納・・・靴、コート、雨具、ガーデニング、アウトドア
キッチン・・・食器、調理道具、調理家電
パントリー・・・インスタント食品、乾物、缶詰、アルコール、ドリンク、水、米、お菓子
洗面脱衣・・・洗剤、タオル、化粧品、下着、
クローゼット・・・洋服、寝具、

この辺りは置き場所も決めやすく量も把握しやすいですよね。

意外と見落としなのがリビングダイニングの収納です。いわゆる日用品ってものがどれくらいあってどこに収納するのが適切なのか。

日用品って具体的に何があると思いますか?
掃除道具といっても掃除機だけじゃないですよね。クイックルワイパーのようなものとかその替えのストックとか。文房具といっても筆記用具もあればファイルのようなものも。工具も多少はあるでしょうし。ガムテープだのダフロープだの救急箱だの殺虫剤だの。冬になると使うひざ掛けとかスリッパとか。気が付いたらなんだか増えてしまう雑多なものたち。

この辺の雑多なものをどこにどう収納するか、必要以上に増やさないようにするか、けっこうポイントのような気がします。

掃除機は廊下でもいいけど、文房具や救急箱はリビングのほうがいいとか。この辺りの事情は家庭によって変わることが多い気がします。

あとは、各家庭特有の趣味のものの収納場所をトッピング的に増やす。アウトドアが趣味だとアウトドア用品が多いでしょうし、マンガ好きなら本棚が必要でしょうし、料理好きな方ならパントリーが大きいほうがいいでしょうし。

そして、どんな場合でもこれを肝に銘じてほしいということがあります。

収納場所が増えると物の量も増える、ということ。なので、安易に収納は増やさないこと。

収納は、活きてる物をしまう場所であって、物を溜め込む場所ではありません。

憧れのマイホーム、素敵なインテリア、使わない物があふれていたら台無しです。

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