よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・間取り

間取りが決まらないモヤモヤを解決する方法

注文住宅の計画では、間取りづくりに一番時間がかかるとよく言われます。

「間取りがなかなか決まらない」

これってどういう状態かというと、
もらったプランが全然要望を満たしていなくて不満、ということではないんですよね。
要望を満たしていないようなプランだったら、悩む前に候補にもならないですもんね。

◎言った要望は「ほぼ」満たされてるけど、すっきりしない。
◎こっちはこれができて、もうひとつはあれができていて、どっちも捨てがたい。
◎伝えたことは満たされてるけど、そもそもそれでいいのか不安。

点数でいうと、75点、といったところでしょうか。
95点だったら合格だけど、75点だと不合格とも合格ともいえずモヤモヤしそうです。

そんな間取りのモヤモヤを抱えている時、どうしたらすっきり納得できる間取りができるのか、その方法をお伝えしますね。

私は今まで300軒くらいの家づくりをしてきました。
地域密着の住宅会社にいたので、特別に目を見張るような作品とよばれる家ではなく、35坪2500万くらいの注文住宅です。
みなさんあれこれと要望を出されてそれぞれにオンリーワンの家づくりをしています。

日頃間取りをつくっている中で、ほぼできあがっているけどもう一歩ということはよくあります。
お客様にお見せする前に私自身が納得しないこともあれば、
お客様が迷われることもあります。

そういう時にどうやって解決していっているか、ご紹介します。

間取りがほぼ出来上がっているけどモヤモヤしている時、
陥りがちなことがあります。

【できていないことにこだわりすぎて要望の源が見えていない】

いくつかのできていないことを、今の間取りに無理やりパズルのように当てはめようとするんですよね。
そのやりかたはどうしても無理やり感が残るのでモヤモヤするのです。

おそらく、この段階まで間取りがすすんでいると、大きくレイアウトから気に入らない、ということはないと思います。
あと少し、ピンポイントで気になる部分がいくつかあるのではないでしょうか。

例えば・・・

☑ここの収納は1間幅で欲しいけど半間しかない
☑勝手口までがちょっと遠い
☑ダイニングをもうちょっと広くしたい
☑キッチンと洗面脱衣が隣同士じゃない

こういう具体的なモヤモヤしてる要望があると、そこばかりが気になって、その部分だけを動かしてなんとかしようとしちゃうんですよね。

そういう時は
①細かく掘り下げる
②ざっくりと引いて見る

という一見真逆のことをすると、解決策が見えてきます。

では、上の例に合わせてみていきましょう。

①モヤモヤしている要望を掘り下げる

1間幅ほしい収納はなぜ1間幅必要なのか。
そもそもそこの収納は何をいれるのか、なぜそこに収納を欲しいのか、どういう時に使う物を入れるのか、1間じゃないと入らない物があるのか。
そうやって掘り下げると、1間じゃなくてもいいかもしれないし、その場所じゃなくてもいいかもしれません。

勝手口がそこに欲しい理由はなんでしょうか。
勝手口を使うのは、ごみ出しの時、買い物から帰ってきた時、洗濯ものを干す時、が考えられます。
勝手口を使う時のベターなルートはどこなのか。ベストじゃなくてベターです。
ゴミ集積場に近いところがいいのでしょうか、それは違う面でも大丈夫でしょうか。
キッチンから出ることにこだわってるなら、それは洗面所からじゃダメなのか。
北面から出ることにこだわってるなら、西面じゃダメなのか。
勝手口を欲しい理由を掘り下げて、今の位置にこだわらずに場所を考えてみると、今とは違う位置が見えてくるかもしれません。

ダイニングをもうちょっと広くしたい理由はなんでしょうか。
ゆったりとした気分で食事をしたいからでしょうか、
物があふれるから収納を置きたいからでしょうか。
感覚的に広さを求めて居心地をよくしたいなら、窓を大きくするとか、天井を高くするとか、視覚的効果で広さを演出することはできます。
収納が必要ならそれはそもそも本当に必要な収納かどうか考える必要もあります。
収納するものによってはニッチ棚ですむかもしれません。
リビングにいるよりダイニングで食事の後そのまま過ごすことが多いなら、
リビングのソファを無くしてしまうという手もあります。

キッチンと洗面脱衣室が隣だと、家事動線が短くなって楽になりそうですよね。
「家事動線を短く」というのはよいプランの条件ともいえます。
では、そもそも、家事動線って?
洗面脱衣室には洗濯機があることが多いですね。
キッチンと洗面脱衣室が隣だと、朝食の準備かたづけと洗濯を同時にするのに便利です。
それは必ずしも隣じゃないとだめでしょうか?
間に廊下があったとしても、直線に配列されていたらほぼ隣といってもいいのではないでしょうか。
キッチンと洗面脱衣室が近いことよりも、洗面脱衣室と洗濯物干し場が近いほうが、動線は短くなることも考えられませんか。

あれが欲しい、これがない、というピンポイントの要望に固執していると、その要望の源を置き去りにしてしまいます。
叶えたいのは、その源にあるはずです。

要望を伝える時、あれが欲しいです、こうしたいです、と直接的に伝えるのは効果的ではありません。
大事なのは、要望の理由や目的を伝えることです。

ダイニングでは食事の後にゆったり過ごしたいんです。
だから広めがいいと思っています。

勝手口からゴミ出しするので、キッチンからゴミ置き場までを楽にしたい。
だから勝手口は道路に面したところがいいと思っています。

朝食の準備とかたづけしながら洗濯するので、キッチンと洗濯動線を近くしたいです。
だからキッチンと洗面脱衣室は隣がいいと思っています。

具体的な要望を掘り下げて、その理由を伝えることで、あなたが望む間取りへの解決策がでてきますよ。

②ざっくりと引いて見る

気になる要望があると、間取りの中のその部分をいじってなんとかしようとしがちです。ジグソーパズルのように。

そうやって無理やり解決しても、どこか無理におさめた感じになるのでいつまでもモヤモヤは残ります。

そういう時は、いったん今の間取りを脇に置きます。そして、気になる部分を抜き出して、ざっくりとレイアウトを考えてみます。

勝手口の位置が気になるなら、勝手口につながるキッチン⇒勝手口⇒ごみ置き場、のレイアウトをいろいろつくってみます。
その時に意識するのが、①で掘り下げた理由です。
そうすると、勝手口はこっちでもいいかも、ごみ置き場はこっちでもいいかも、っていろいろなパターンが見えてきます。

収納を考える時も、その収納に何を入れるか、それはどこで使うものなのか、を考えます。使う部屋に対してどの位置に収納があればいいか、そのくらいの大きさで足りるか、いろいろ書き出してみます。

①堀り下げることも②引いてみることも、どちらも
モヤモヤしてる要望の源を見つめ直す作業です。
あれが欲しい、こうしたい、の源となることを叶えなければ、家づくりは満足したものになりません。

間取りがなかなか決まらない、間取り迷子になっている、そんな時はその源がどこかにいってしまいがちです。
だから、モヤモヤするんです。
あなたが本当に叶えたいことを再度考えてみましょう。

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30坪の間取りでも楽しい家になる工夫

30坪くらいで
LDK+寝室+子ども部屋2室、という広さを検討している人
多いと思います。

そのまま必要な部屋をただ並べただけでは窮屈になってしまうので、
何かしら楽しくなるアクセントがあったほうが
魅力的な家になりますよね。

30坪の家と40坪の家、
どちらが間取りが難しいかというと
30坪のほうが難しいと私は感じています。

30坪といえども、40坪の家と同じように
キッチンもダイニングもお風呂も洗面もトイレもクローゼットも寝るところも
必要なので
40坪の間取りより、30坪のほうが工夫が必要なんですよね。

家は、機能を果たすだけでなく、暮らしの豊かさ、心が動くような仕掛け、があったほうがいいというのが、私の考えです。

30坪の家が、窮屈にならずに、楽しさを感じさせる工夫として有効な方法が、
階段の位置です。

階段って、吹抜けと同じ効果なんですよ。
2階まで続いた空間だから。

階段をあがった2階に窓があると、
その光が2階から降りて来るので明るくなります。
それを意識した2階の窓の配置をすることがポイントですね。

2階の廊下だから小さい窓でいいや、って思うかもしれませんが
そこは1階までの効果も考えて決めたほうがいいです。

階段の手すりのデザインを、アイアンにしたり、木の格子にしたり、
いろいろ楽しめるところでもあります。

このあたりは予算との相談ですが。

こういうリビング階段の場合、ここが壁になっているプランと、オープンな感じの手すりになっているのとでは、
部屋のおしゃれ度も広さも全然ちがいます。
概算予算の段階から優先的に予算を確保しておいたほうがいいと思います。

もうちょっと工夫するとこんなこともできます。

このプランでは、階段の踊り場が1階と2階の中間あたりなので
スキップフロアのような空間になっています。
踊り場と1階のダイニングが1つの空間のような
面白い効果を生んでいます。

階段って、上に繋がる空間なので
それだけで空間に変化を生んでアクセントになるんですよ。

間取りって、どうしても平面で考えがちですけど、
空間って立体なんですよね。


動線や効率も大事です。
それだけではなく、何かアクセントになる部分も考えましょう。
30坪でも窮屈にならず楽しい空間になりますよ。

提案された間取りがもうちょっと工夫がほしいなぁ
と思う方は相談してみませんか?
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地味だけど住んでから困る 
家づくりで見落としがちなこと トップ3

家づくりは「もっとこうすればよかったな」と
住み始めてから気が付くことはどうしてもおこります。

長期間、何度も打合せしたのに、気が付かなかったこと、
というものもあります。

実は、地味なことこそ、これが起こりやすいのです。

図面で大きく書かれないこと、
図面ではおかしくないけど、実際にはおかしくなること、
これでできないわけじゃないけどちょっと不具合になること
ガマンできなくはないけどできれば避けたいこと

ざっくりまとめると
図面上ではわからないけど、住んでみたらこうなっちゃって不便
ということです。

気になりますよね!

この記事はこのような方に向けて書いています。
◎間取りが自由に変えられる注文住宅検討中の方
◎ローコストではない注文住宅検討中の方
◎家づくりについてちょっと調べはじめた方
◎高級ではないけど自分たちで考えてオンリーワンの家づくりをしたい方
◎自分達の暮らしにあった家をしっかり考えてつくりたい方

この記事をかいている私は、一級建築士として地元の住宅メーカー数社に勤務後、
2013年に独立、今は地元の工務店さんの外注の建築士として家づくりをしています。
今まで携わった設計は300棟ほどあります。
特別こだわった高額な注文住宅ではなく、35坪2500万円くらいの注文住宅がほとんどです。
みなさんそれぞれの要望をかたちにしたオンリーワンの注文住宅です。
多くの注文住宅をみてきた私の経験を、これから注文住宅を建てるかたに役立ててほしいと思ってこの記事を書いています。

では具体的に、
【地味だけど後で困る、家づくりで見落としがちなことトップ3】
をみていきましょう。

第3位 玄関ポーチの奥行が狭い

ドアを開けて中に入った玄関の広さは気にするかもしれませんが、
みなさんドアの外の玄関ポーチの広さを気にしませんね。
なんとなくテキトーに書いてる営業さんの多いこと多いこと。
ポーチの奥行が小さいと、玄関ドアを開ける時に後ろに落ちそうになります。
90センチくらいに書いてる間取りがよくありますが、
それでは小さいです。
ポーチがタイル仕上の場合、タイルって30センチ角が多いのですが、
タイル4枚分の奥行が妥当です。
敷地状況などで奥行が取れないなら、
横に広くするとか、スムーズな出入りができるような工夫が必要です。
これと同じようなことで、ポーチ屋根も重要です。
ポーチ屋根が小さいと、雨降っている時、出入りするたびにびしょびしょになりますよ。

第2位 収納の奥行が思っていたより小さい

建築図面の寸法のうち方は、柱や壁の芯から芯を表すことが基本です。
収納の奥行の横に「450」という数字があるから余裕で入るな、
と思っていたら、40センチくらいの物が入らなかった、
ということが起こります。
棚が取りつく場合は「可動棚奥行350」などという表記があるかと思いますが。
棚がつかない場合は仕上がりの奥行表示はまずしません。
入れるものが決まっている場合、そのサイズを伝えましょう。
奥行がギリギリになりそうなときは「有効〇〇センチ」という表記をしてくれます。
これをしておけば、その寸法を確保できるように現場も考慮してくれます。

「棚奥行○センチ」という表記も、ひょっとしたら微妙です。
扉がついている場合、その表記の寸法よりわずかに小さいこともありえます。
先ほど書いたように、建築の寸法は柱の芯々です。
柱を最初に建て、それから壁の下地をつくり仕上材がきます。
「棚奥行○センチ」と書いてあっても、現場でもし数ミリ足りなかったら、棚を数ミリ切って納めることは、十分にあり得ることなんです。
数ミリくらい気にしない、と思うかたはいいのですが。
数ミリ足りないがために入らない、ということも無くはないです。

第1位 カーテンがぶつかる

窓がコーナーにあるところは要注意です。

さらに、この図面の位置ではカーテンレールにクローゼットドアがあたってクローゼットが全開できない、ということもあり得ます。

ドアがないとしても、窓がコーナーにあるとカーテンを開けた時に
カーテンが常に窓にかぶさっていることになり、
見た目がきれいじゃありません。

30坪くらいの家の間取りだとこういうことが起こりやすいです。
狭いところに窓やドアがひしめくので。

こういう場合、窓枠の内側にカーテンを取り付けるという方法もあります。
それで気にならない人はいいですが。
通常カーテンは、窓より一回り大きいサイズで、窓枠より手前に覆いかぶさるように取りつきます。
窓枠内側に取り付けると、すき間がどうしてもできるので、あまり美しくないなぁ、と思うんですよ、私は。

カーテンは引き渡し後に自分で手配することも多いと思います。
そうなると、設計段階でカーテンのことまで考慮されないこともあります。
いざカーテン屋さんが来た時に「どう取りつけますか?」となり
思ってたことと違う!となるかもしれません。

いかがですか。え!そんなこと考えてつくってるでしょ!と思うようなことですが。
窓を大きくしたい、とか、収納を大きくしたいとか、
もともと提案されたものよりサイズアップする時は起こりがちです。
デザインにこだわったために起こることもあります。

こういうことに気づくかどうかは
プランを考える営業さんや設計士さんが現場をよく見ているか、
現場で起きたことが他部署にフィードバックできているか、
お客様の声に真摯に耳を傾けているか
で決まります。

デザイン性や性能といった大きな括りで家をとらえるだけでは住みやすい家にはなりません。
家は毎日の現実の生活の場です。
毎日使いにくくて気になることが一生続くなんて、嫌ですよね。

デザインや性能だけでなく、経験豊富で細かい配慮がされる会社を選びたいですね。

そんなアドバイスもします。
デザインだけでなく使い勝手もよい家を目指したいなら
間取り相談セカンドオピニオンを活用してくださいね。

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