よつば暮らしデザイン室

ブログ

Monthly Archives: 10月 2018

要望に応えるだけの家づくりで満足しないでください

家づくりは芸術作品と違って、作り手の思うままにつくるのではなく、お客様の注文に合わせてつくります。

むしろ、作り手の意思よりお客様の要望が優先です。

でも、要望を聞くことはたしかに必要だけれども。

それを勘違いして「お客様がこれがいいと言ったからこれでいいんだ」といって作り手としての意思もなくものづくりをしてしまうのは、

それは違うと思うのです。

お客様の要望に応えることとは別に、いい家づくりについて知識を蓄え考えを巡らしどうしたら美しくなるかを配慮することは、プロとしての責任です。

お客様がいいっていうから品質を落としていいわけじゃない、カッコ悪いものにしていいわけじゃない。

素人であるお客様に技術的な性能についていい悪いの判断は不可能ですし、デザインの良し悪しだって素人から見たら単なる好みの範疇でしか判断できない。

お客様の要望に合わせて物をチョイスするだけの家づくりはただパズルを組み立ててるのと同じこと。

デザインじゃない。

お客様の要望とコンセプトを把握しつつ、プロとしての質の良さを追求していくことは必要なことです。

「要望通りにできて満足」ではなくて「要望以上の提案がもらえて満足」って思ってもらえるようにしていきたいですね、設計者としては。

なーんて、思ってはいても現実はどこまでそれができてるかは反省ばかりだけど。

住んでから10年後20年後に、

「何がどう性能がいいかわからないけど、とにかくこの家は快適で居心地よくて大好きなのよね」

なんて言われたら最高です。

 

↓↓↓ 読んだらポチッとしてくださると嬉しいです!!!

にほんブログ村 住まいブログ 女性建築士へ

土地さがしを不動産屋さんだけでするのは危険です

土地から購入して注文住宅を建てる人は不動産屋さんをあちこち回って土地を決めると思いますが。

必ずして欲しいことがあります。

建築士に相談することです。

不動産屋さんは土地の売買のプロですが、建築には素人同然です。

土地についての情報、専門用語でいうと用途地域とか道路斜線とか、それは知ってはいても、実際に建てる時どういう規制がかかるからどういう建物が建つのか、どういう手続きがあってどういう審査をされてそれにどれくらいの期間がかるのか、といったことは不動産屋さんは知りません。

なので、いざプランの段階で建築士がみたら、道路斜線がこれくらいかかるからこの屋根形状しかできないよとか、○○の許可申請がいるので着工まで2か月待ってくださいとか、がけ条例かかるからここに擁壁作って100万かかりますよねとか。

お施主さんが「そんなこと知らなかった」っていうことがちょくちょくあるんですよ。

説明はしてるかもしれません、○○地域だからこういう規制がありますよ、っていう。

でも、その規制があることで結果どういう家になるから費用がどれくらい増すか、期間が余分にどれくらいかかるか、ということは建築設計の実務をやってる建築士じゃなきゃわからないんです。

工務店さんに聞いてもわからないこともあります。建築士のいない工務店さんは結構ありますから。

つい最近も、新たに土地買ってプランも進めてる案件を見せられたので「○○地域でこの擁壁作ったら○○許可がいるから3か月余分にみてくださいね」って言ったら、頭かかえてました。

不動産屋さんは建築に関しては素人です。

不動産屋さんの意見だけで土地を判断するのは危険です。

 

 

↓↓↓ 読んだらポチッとしてくださると嬉しいです!!!

にほんブログ村 住まいブログ 女性建築士へ

家づくりで不満が多い場所とは

注文住宅で住み始めてからの「ここをもっとこうすればよかった」という話。

よくあるのが「玄関が思った以上に暗かった」

窓がないわけではないけれどもっと明るくしたかった、という話をよく耳にします。

マンションやアパートは窓がないことがほとんどですよね。窓がなくても困ることはないですよね。

玄関って何をするところかというと、靴を履き替える、お客様の対応をする。長時間そこに滞在することは基本的にはない、と考えます。

居間やキッチンや寝室など人が長時間を過ごすところは大きく窓をとりますよね。法律としても決められていますが、窓のない暗い部屋は精神衛生上よくありません。

じゃあ玄関はどうなのか。

そもそも、玄関はどういう場所なのか。

機能としては、家の出入口、靴を履き替える、お客様を迎え入れる、朝出掛ける、外から帰ってくる・・・。

それらをするのにどういう気分だといいのか。

人を迎え入れる雰囲気は、朝出掛ける時の気分は、外から帰ってきた時の気分は、どうだったらいいのか。

機能としてだけを考えたら、そんなに明るさは必要ありません。玄関で長時間読書をしたり工作するんだったら別ですが。

機能として考えた明るさと、感情として必要な明るさと。

その差が大きいのが玄関なのだと思います。

そして、感情として必要な明るさが個人差が大きいということ。

マンションは最初から玄関な窓がないことはわかっているので「暗い」ことを受け入れてる、だから文句はでない。

でも注文住宅だと。自分でなんとなくイメージしている玄関がある、デザインや色の希望は伝えることができても、明るさまでイメージがつかないんです。

図面でかかれた窓を見て「これくらいの明るさだろうな」って想像できたらプロですね。

玄関はどんなイメージの場所ですか?

元気よく朝でかける場所にしたいですか?おしゃれで素敵な演出が欲しいですか?ゆったりした感じがいいですか?さわやかな感じがいいですか?

どうかそれを伝えてください。

機能として数値として必要な明るさではなく、あなたの感情が求める明るさがなければ、そこは「暗い」のです。

 

 

↓↓↓ 読んだらポチッとしてくださると嬉しいです!!!

にほんブログ村 住まいブログ 女性建築士へ

PAGE TOP