よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 住まいについての考え

その発信がお客様に届かない理由

「地域材活用セミナー」というものに行ってきました。

家を建てる時の柱や梁という「木」がどこの山から来てどうやって柱として家づくりの現場にくるかって考えたことありますか?

川上から川下へ。

っていう言い方を講演ではされてました。実際、昔は山にある川の上流から流して川下の街に送っていたのです。

川上が木を育てて供給元となる山元としたら、私がしている設計という仕事は決定権を持つお客様と直接対面する一番川下にいることになります。

川下の人は川上でがどこで何がどうなっているのか知らない、川上の人は川下の人が何を考えてどう選択しているのか知らない。

「ブラックボックス」なんだそうです、製材の流通は。山元での原木の価格は実際製材として取引される価格の数%だそうです。手をかけて育てられた枝打ち材が末端の市場では評価されていない、

要するに、供給している側にとっての「価値あるもの」と、消費者の思う「価値あるもの」が合っていない、ということです。

そのブラックボックスを変えようとという林業の新たな仕組みを始める、という趣旨の講演でした。

その趣旨と問題点と苦労している様はわかったのですが。

話しの中に消費者のことが一切でてこない。

最終的に建物をたてるオーナーとなる人が決定権をもっていてその人たちが地域材を使うという選択をしない限り、どんなに山元の人たちががんばって山を育てて製材所が問屋に地域材を積極的に売ろうとしたところで、建築現場で使われることはありません。

なのになのになのに、一般人の意識調査だとか、なぜ地域材が選択されていないのかだとか、そもそも一般の人が材木を選択するということがあるのかとか、そこをどうしたら変えられるのかとか、どう訴えていこうだとか、そういうことが一切でてこなかった。

自分たちの取り組みのことばかりで。今回はそういう趣旨に講演なのかもしれないけど。

川上と川下のあいだに大きな隔たりがある、全然川下から見えない、っていうことをとても感じたのです。

供給する元にいる人たちの発信が、最終的に使うエンドユーザーに届かなければ、市場なんて変わるわけないのに。

エンドユーザーが「欲しい」と思っている顕在化されてるニーズだけに応えるような情報提供だけじゃ新たなニーズの掘り起しなんてできるわけないのに。

供給する側が「これいいよ!」「これ大事だよ!」っていくら叫んだところで、末端のユーザーの「こういうの欲しい」に合わなければ、その発信はされてないのも同じこと。

そもそも、その発信はエンドユーザーが選択する場に届いていないんじゃないの?

供給する側は自分たちのものを「これはいい!多くの人に届けたい!」っておもってその事業を営んでいるはずだけど、それはほぼ一方的な想いに終わっていてユーザーに届いていないことが多い。だから苦労してるんだけどね、私もだけど。

供給する側の価値を活かしたままユーザーの隠れたニーズをビビッと刺激するような商品やコンテンツつくり&発信っていうのができると、川上から川下すべてがうまくいくのでしょうね。

これをうまくまわせるプロデューサーっていう人材が不足してるんだろうけど。

暮らし方を変えるかたづけ講座

10月4日 水曜 13:30~15:30

参加費3000円

◎今年中にかたづける行動計画作成します

◎実行できるよう個別指導します

◎年末までのメール指導つき

お申込みは右上の「お問合せ」またはFacebookメッセージにて承ります。

 

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答えが出ない問題の解決のしかた

誰か一人でも反対していたらGOにならない、でも他の人は実行したい、って思っていること。

私はAがいい、あなたはBがいい、でも二人バラバラはありえないこと。

っていうように、全員の意見が一致しないと解決にならないことが時にあります。

今日どこへ行く?とか、何食べる?とか、っていうレベルなら何回も機会はあるし妥協してもそれほど問題ではありません。

家づくりはそうはいかない。

誰か一人でも反対してたら実行しないでしょう。

私は郊外の一戸建てがいい、俺は都会のマンションがいい、じゃ両方にしようか、なんてないでしょうし。

もう古くてここで老後は私は嫌だわ、今さら建て替えなんて俺は面倒で嫌だ、じゃ半分建て替えようか、ってわけにもねぇ。

お互い希望を言い合っているうちは答えはでませんね。

そもそも、何が答えか。

答えって色々な性質があると思うんです。

お金の損得からわかる答え、一般的に選択されることが多い答え、当事者の多数決からでる答え、専門家といわれる人から教えられる答え。

家づくりや家族に関わる問題はそのどれも「参考」にしかならないと私は思っています。このどれも私は導くことができます。あ、お金のことはファイナンシャルプランナーさんにお願いしますが。

でもね、どれもやっぱり参考なんですよ。

決め手は、「どれが一番みんなが納得できるか」という納得解を見つけること。

これしかない。そのために必要なことは「本音を言う」「がまんしない」

それをしておかないと後々の不満の元だし、納得解がそもそも見えてこない。

本音を言い合って、ケンカになるかもしれないけどそこは家族です、言わないで過ぎてしまうことのほうが傷は大きくなる。

本音の希望をどこまで通したいか、どこまで相手に合わせることができるか、どの点は相手の本音を良しとできるか、必ずその方法じゃないとその本音は実現しないのか、お互いにとってちょうどいい方法でお互いの本音を実現できる方法はあるのか、、、、

それをひとつひとつ話し合って検証する、という時間が必要です。

第三者に間に入ってほしい、客観的な意見が欲しい、という場合は私がお手伝いします。

でもね、必ず家族の本音の本気の話し合いは必要です。

そして、答えは自分たちでしか出せません。

 

まちゼミ「インテリアコラージュで理想の部屋づくり」

9月6日(水) 9:30~11:30

9月12日(火) 13:30~15:30

いずれも岡崎市せきれいホールにて。

参加費300円。持ち物はさみ・のり。

 

 

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家をみればわかるそこに住む人の〇〇

今あなたがいる家、「木」でできているものがどれだけあると思いますか?

床とかドアとかドアの枠とか棚板とか家具とか。

40,50年前の家ならほとんどが本物の木でしょうけど、マンションとか賃貸とか最近の建売とか特にこだわった素材を選んだ家じゃなければ、木に見える木じゃないものであることがほとんどです。

なぜ本物じゃない木が多くなったかというと。

ニセモノの工業製品のほうが安くて扱いやすい、ということも大きいですが。

木は生きています。湿度の変化で縮んだり伸びたりします。割れることもあります。水を吸います、シミになります。

だから、扱い方を知っていないといけません。そして、そういう経年変化を「そういうもの」として受け入れて暮らすことが必要です。

そういう暮らしを今の人たちは受け入れない、だから本物の木を使うと嫌がられるんです。

でも、模様や色は雰囲気は木がいいって言うんですよね。

傷がつきやすい、伸縮する、手入れが必要、っていう暮らしはほんの数十年前は当たり前だったことを、今家を建てる世代の人たちは知らない人が多い。だから、そういうことを教えることも必要で、あえて伸縮したり床鳴りしたり隙ができた部分をそのままにしておく、っていうモデルハウスがありました。

経年変化、っていうものは何にでもあるんですよ。メンテナンスフリーなものなんてこの世に存在しないと思います。

家は、住む人の扱いかたで20年後30年後の質が変わります。外から見てもわかります。この家の住人の品格が。

 

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