よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・依頼先について

家づくりのプロが親しい人にするアドバイスとは

あなたに仲の良い友達に家づくりのプロがいたら、ご自分の家づくりの時こんなことを聞くんじゃないでしょうか

「今度家建てるんだけどアドバイスある?」

それに対する返答がこれだったらがっかりしますか?

ツイッターで見かけたのですが、ものすごく納得してしまいました。プロがおすすめしているのに、聞いたほうからは「望んだ答え」じゃないっていうもどかしさ。

私も似たようなことこたえると思います。サッシと断熱と基礎と耐震等級3、ってこたえるかな。

このツイッターに書いてあることも、私がおススメする断熱だとか基礎だとかも、家の中身のことです。車でいったらエンジン、人間でいったら骨とか筋肉とか血行とか、料理でいったら栄養素とか。

たぶん皆さんが望む答えは、どうしたらおしゃれな家になるかとか、お得に建てられるコツとか、どういう設備がいいかとか、どこの会社がいいだとか、そういう答えなんでしょうね。

でもね、お得より使い勝手よりおしゃれ感より、安全と快適性のほうが、
ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと
大事なはずです。

安全や快適性ってどこで建ててもしっかりやってくれてるんじゃないの?
って思うかもしれませんが、そうではありません、残念ながら。

耐震等級3じゃない家なんていくらでもあるし、2020年から義務化されるはずだった断熱性能でさえできない零細工務店が多いからという理由で延期になりました。住宅業界のレベルの低さを物語っています。

家づくりは、表には出てこない部分、素人ではわからない部分がたくさんあります。そういうところで家の性能は決まります。だから、性能を確保するために必要なことをこのツイッターの人は言ってるわけだけど。

プロにしかわからない部分って、作る側の裁量で決まってしまいます。わからないからお任せにしていい、ではないんです。むしろ、そこの違いで工務店なりハウスメーカーなり選ばないと、とんでもないことになります。同じ2000万なのに中身の価値がそれに見合ってないことになります。

そしてそれが一生続きます。数年で家建て変えるならいいけど。インテリアや設備は変えるけど中身は変えることはほぼ無理です。

キッチンやお風呂のグレードあげるより、サッシと断熱と構造にお金かけましょう。一生の快適性が違います。

信頼できる工務店かどうか見抜くための質問とは

「いい家」この定義はほんとうにさまざまです。あっちの会社で「いい」と言われたことがこっちの会社では「それほどでもないよ」と言われることなんてめずらしくありません。家づくりを提供してるハウスメーカーも工務店も建築家も、自分たちがつくってるものは「いい家」だと思ってます。そういう前提で営業トークを繰り広げます。

そのトークが集客するための営業トークなのか、本当にいい家を提供したくて考えて話していることなのか、それを専門知識のない素人が見抜かなければなりません。

家づくりはあれもこれもが同時に成り立たないことはいくらでもあります。すべてにおいて高性能でデザインも素敵で素材は安全な自然素材で・・・。なんて家はおそらく一般庶民では手が出ない金額になるかと思います。残念ながら今の日本の住宅業界はそうです。

そんな中で何が「いい家」なのかを考えて自分たちはこれを提供しようと決めて、どの会社も自分たちの考える「いい家」を提供しているはずです。

なので、営業さんなり工務店の社長なり、あなたに勧めてくる人にはこう聞いてください。

『他の方法を採用せずにその方法を勧めてくる理由はなんですか』

「方法」の部分は「工法」「製品」「素材」「方針」とも言えます。

たとえば「うちの会社では断熱材はこれ使ってます」だったら「あなたの会社で採用してない断熱材ってどんなものがありますか?それを採用せずにその断熱材を勧める理由はなんですか?」という感じです。

間取りでも「こういうプランを作成しました。いかがでしょうか?」とプレゼンされたら「他に採用しなかった間取りはどんなものがありますか?それをプレゼンせずにこのプランを見せてきた理由はなんですか?」

「うちの会社ではこういう工法でやっています。」「うちはこれを採用してます」「こういう段取りで進めていきます」「わが社はこういう方針です」

すべてにおいて、その理由を聞くのです。大事なのは「いろいろある中でなぜそうなのか」が説明できるかどうかです。

自分達の良さだけをアピールしてくるような会社は家づくりのあれこれを真剣に検討してない可能性が高いです。

メリットやいい点だけを説明されて納得しないでくださいね。その程度の説明はマニュアル化されてるので。

専門的なことをあなたが理解するかどうかは別として、いい家を求めて細部まで検討しているかどうか、そういう真摯な姿勢をもった会社かどうかを見分けてください。

ただし、信頼できる会社かどうか、と、あなたの価値観に合った家を提供しているかどうか、は全く別問題です。話を聞いて感動して「ここなら信頼できる!」と勢いで決めないでくださいね。

セカンドオピニオンで賢い家づくりを

新年あけましておめでとうございます。
ブログやSNSを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。今年もみなさまの家づくりと暮らしの役に立つ発信をしていきます。よろしくお願いします。

今年は『家づくりのセカンドオピニオン』をもっと積極的にやっていきます。

思いもよらない事態となった2020年、価値観や行動を変えざるを得ない状況となりました。でもどんな時代であろうと「住む場所」が必要なことには変わりがありません。

今の家づくりは、一戸建てなのかマンションなのか、賃貸なのか持ち家なのか、和風なのか洋風なのか、ハウスメーカーなのか地元工務店なのか。そんなことでは収まらないくらいに、選択肢がとても多くあります。デザインも性能も会社の進め方も、本当に様々。

家というとても高額で複雑な性能を持つものを買うという機会は人生に何度もあるわけではありません。何度も経験しないことは経験によって学ぶことがないということです。

選択肢がさまざまにある専門的なことを初めて経験する素人のかたが、すんなりと選択できるとはとても思えません。

でも、実際はわかってないまま知らないまま決めていっているのが今の家づくりの現状です。圧倒的に作り手側売り手側の知識が有利な状況です。

売る側作る側のいうことは、当たり前ですが自分たちのものが良いと思っています。でもそれは売る側つくる側の「良い」です。言っていることに間違いはないとしても、あなたの価値観と経済力に合っている、とは限りません。

圧倒的に売り手側作り手側の知識と経験が有利だという状況を埋める、それがセカンドオピニオンです。

家づくりの知識はネットでも本でも雑誌でも調べると様々でてきます。でも、調べすぎて結局何がいいのかわからなくなる、という経験はありませんか?それは情報に振り回されている証拠です。

そうならないためには、まずは自分たちの価値観をはっきりさせて家に求めることを決める。それと同時に家の性能とは何がどのようなものなのか学ぶ。この2つが必要です。

価値観をはっきりさせるためのツールとして私はハウジングコーチを使います。これをやると、初対面のお客様でもだいたいその方の暮らしぶりやどんな家づくりが合うか見えてきます。

家は生活の基盤です。毎日生活する場所です。そこでの快適性は人生に影響を与えると私は思っています。だからといって、人生に大きな負担をかけるほどお金をつぎ込めばいいとは思っていません。子供の教育も、旅行も、美味しい物も、趣味の道具も、人生を豊かにする大切なもの。だからこそ、限りある費用を最大限に活かして質のいい家を手に入れてほしいと思っています。

絶対に必要な質の部分と自分たちの価値観に関わる部分にはお金をかける。それ以外のところはほどほどにする。売り手作り手の押し付けてくる価値観に惑わされない。そんな賢い家づくりをしたい人は、セカンドオピニオンをおすすめします。

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