愛知・岡崎・西三河の建築士設計事務所。家づくりセカンドオピニオンは全国対応です。

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使いやすいランドリールームの間取り タイプ別チェックポイント

あなたはどこに洗濯物を干しますか?
雨で乾かない時は
部屋のあちこちにひっかけたりして室内干しをする
というお宅もあるのでは。

これから家づくりをするなら
洗濯物をどこに干すか、
どのように乾かすか

ということをしっかり決めておくことで
家事も楽になるし、見苦しい室内干しがなくなるし、いい具合に乾く
ということができるようになります。

今は
洗面脱衣室で洗濯機をおいて
乾かすのは別の場所
というやり方をしているご家庭が多いと思います。


洗濯する→干す(乾かす)→仕分けする→収納する
これを一気にできるようにする部屋が
ランドリールームです。

ところが、
あまりよく考えないでつくると
使いにくい、乾かない
ということが起こります。

なぜなら
洗濯の方法って人によって全然違うんですよ!

ですから
各家庭の洗濯事情に合わせてつくっていく必要があります。

あなたにピッタリの
使いやすいランドリールームを
徹底的に考えていきましょう!

これを書いている私は
設計事務所や住宅会社の設計職を経て独立した1級建築士です。
地域密着型工務店から外注で
間取りの作成、打合せ、申請業務を請け負っています。
建築家がつくる哲学的なこだわりの家ではなく
お施主様の暮らしとこだわりにこたえる注文住宅を設計しています。
今までたずさわった家づくりは300棟ほどあります。
その経験をいかしてセカンドオピニオンのご相談も受けています。

注文住宅に迷いや不安はつきものです。
限られた予算で最高の家にするための考え方をお伝えします。
『注文住宅の迷いと不安を解決するメルマガ』

1.ランドリールームとは

今までは
洗面脱衣室に洗濯機を置いて洗濯をする
→洗濯おわったら外やバルコニーに干しに行く
→乾いたら取り込んでリビングなどで仕分け
→個室のクローゼットに収納

というお家がとても多かったです。

これの難点は
■移動が多い
■乾かない時のことを考えていない

ということです。

そこで

脱ぐ→洗濯する→干す・乾かす→仕分ける→しまう

これらをできるだけ1か所ですむようにとつくられた部屋が

ランドリールームです。

ランドリールームの形式は1つではありません。

■脱衣室に洗濯機と乾太くんと仕分け台を置く
■脱衣室に洗濯機と物干し金物をつける
■脱衣室とは別に、物干しと仕分け台と衣類収納をつくる

など、家事のやり方、生活スタイルによって様々なパターンがあります。

2.ランドリールームのあるメリット

1)家事負担が軽くなる

洗濯という家事は
洗うことから収納まで
工程もいろいろあり時間もかかり場所移動が多い家事です。

その場所移動がぐっと減ります。

洗濯動線が短くなることから
家事全体の負担が減ります。

2)室内干しの専用スペースができる

乾かない洗濯物がリビングや寝室にぶらさがっている

という状況のおうちはたくさんあると思います。

それ気になりませんか?

吊る下がっている洗濯物を見ながらごはん食べたくないですよね?
疲れてさぁ寝るか…、って時に洗濯ものが吊る下がっている部屋じゃリラックスできないですよね?

せっかくお家をつくるなら
室内干しが生活の邪魔にならないようにしましょう。

3.ランドリールームのデメリット

1)ある程度の面積が必要

今までは1坪の洗面脱衣室が多かったですが
それではランドリールームとしては狭いでしょう。

そうなると、それなりに面積を確保することになります。

床面積全体を増加させるか、
他の部屋の面積を減らしてランドリールームにする
ということは必要になります。

2)思ったより乾かない、じめじめ感がのこる

室内干しをつくったものの
場所が足りずゆとりをもって干せないと
乾きが悪くなります。

室内干しの部屋の位置によっては
乾きが悪いことも。

長時間干さないといけない、
結局乾燥機が必要、
ということになりかねません。

3)吊る下がった洗濯物が邪魔

室内干しの場所が
脱衣室や洗面所など、
人が通るところにすると
吊る下がった洗濯物をかきわけないといけないかもしれません。

家族の不満が発生しそうです。

せっかく洗った洗濯物を何度も人が触るのも
なんだか嫌ですよね。

顔がぶつかる位置だと
メイクがつく可能性も。

4.使いやすいランドリールームにするために必要なこと

洗濯という家事のやり方は人によって全然ちがいます。

朝の身支度と同時の人
夜寝る前に洗濯する人
毎日乾燥機の人
基本は外に干したい人
毎日室内干しの人
衣類収納も1か所がいい人
アイロンかけをマメにする人

みなさんご自分のやり方を「普通」と思っているかもしれませんが
びっくりするほど人によって様々です。

各家庭によってやり方が違うので
よその家庭のランドリールームを真似しても
あなたのやり方に合うとは限りません。

思ったより楽にならない
思ったより場所が狭い
思ったより乾かない

そうならないためには
あなたの洗濯のやり方、家事のやり方、生活スタイルに
合わせることが大事です。

ここから先は、
タイプ別のおすすめランドリールームの注意事項
をご紹介します

5.毎日乾太くんを使う場合

基本が乾太くんなら
乾太くんが使いやすいように間取りもランドリールーム内のレイアウトも考えましょう。

チェックポイント
①濡れた洗濯物を洗濯機から乾太くんに移しやすいかどうか
②乾太くんから取り出しやすいかどうか
③乾太くんから出した洗濯物を置くスペースがあるか
④乾太くんが使えない洗濯物を乾かす場所があるか

乾太くんの設置場所については下記の記事をご覧ください
取付け高さ、ものすごく大事です!

乾太くん(かんたくん)設置場所で一番気をつけること

身長がそこそこある方なら
洗濯機から乾太くんに移すことは
縦型洗濯機から、その上に置いた乾太くんに移しかえるのが一番楽
なはずです。

乾太くんを一番使いやすい高さにしたいなら
縦型洗濯機の横に
乾太くんの中心が目線にくる高さ
で設置するのがおすすめです。

ドラム式洗濯機から横に置いた乾太くんに移しかえるのは
しゃがむ動作が腰にきます。

意外とわすれがちなのが
乾太くんが使えない物を干す場所です。

タンブル乾燥(タンブラー乾燥)禁止マークの衣類は
乾太くんは使えません。

ウール製品、シルク製品も縮みやすくて使えません。

デリケートな衣類を干す場所は必要ですね。
めったにないからその時はリビングや寝室に干す
ということで足りるならいいですが。

せっかくランドリールームにしたのに
わざわざ他の部屋に干すのはなんだかな
という気がします。

物干し金物を1か所設置しておいたほうが良いでしょう。

こちらの間取りは
乾燥機で乾かすことがメインのご家庭です。

脱衣ランドリーに
洗濯機→乾燥機→仕分け台
と並べました。
室内干し用の物干しもあります。
この位置なら出入りする人の邪魔になることもないでしょう。
すぐ横にファミリークローゼットもあるので
洗う→しまう、までが一直線でできます。

6.毎日室内干しの場合

思ったより乾かない
部屋がじめじめしてしまう

ということが起こりがちなのが
室内干しメインの場合です。

チェックポイント
①よく乾く場所かどうか
②ゆとりをもって干せるだけの物干しの長さがあるか
③干してあっても邪魔にならないか
④洗濯機と同じ部屋、またはすぐ近くにあるか
⑤使いやすい物干し竿の高さかどうか
⑥仕分けスペースがあるか

まずは
乾きやすい場所にランドリールームをつくりましょう。

全館空調で家じゅうがいつも空調がきいている
というお家は
家全体が乾燥傾向にあるので
どの位置に室内干しをしても乾くでしょう。

そうじゃないお家は
ランドリールームの位置はできるだけ南や東など
乾きやすい位置に配置しましょう。

水回りはどうしても
北面にいきがちですが
そこに毎日洗濯物を干しても
しっかり乾かすのは難しいかもしれません。

このランドリールームはファミリークローゼット兼用です。
カウンターの下には引き出し収納がたくさん並ぶので
下着やタオルが入ります。

広さもこれくらいあると
十分に干せそうですね。

物干し竿がどれくらいの長さ必要か
設置高さはどれくらいが使いやすいか

毎日ですから
使いやすいものにしましょう。

7.乾かない時だけ室内干しの場合

以前に比べて外干しする人は減りましたが
やっぱり外でパリッと乾かしたい!
という方もまだまだいらっしゃいます。

自宅でお仕事をする人
短時間勤務の人などは
外干しメインな方も多いと思います。

そういう方も
室内干しスペースはしっかり考えましょう。

チェックポイント
①干してあっても邪魔にならない場所かどうか
②乾きやすいかどうか
③干してないときは目立たないかどうか
④洗濯機の近くかクローゼットの近くかどうか

時々室内干しなので
必ずしも洗濯機と同じ部屋にしなくてもいいかもしれません。

他の優先事項があればそちらを優先して
室内干しの位置については優先j順位を下げてもいいかもしれないですね。

ただ、干してあっても邪魔にならない場所
にすることは大事です!

こちらの間取りは
2階の廊下に室内干しコーナーをつくりました。
階段の上部は空いてる空間になるので
物干しにはうってつけです。

物干しの下にカウンターをつけて
仕分け台にしています。

基本的に乾かない日にすることになるので
乾きやすくする対策も必要になってきます。

除湿器、サーキュレーター、扇風機などを使うことになるので
コンセントを付けておきましょう。

毎日使うわけじゃなければ
物干し金物は可動式が便利です。
使わないときに上にあげられるもの
壁からワイヤーで取り出せるもの

などがあります。

■室内物干しワイヤー 森田アルミ pid

■室内物干しユニット Panasonic ホシ姫サマ

■室内用ホスクリーン昇降式(操作棒タイプ) 川口技研

8.脱衣室兼用で室内干しする場合

おそらくこういう方が一番多いのではないでしょうか。

洗濯機のある脱衣室を広くしてランドリールームにする
というパターンです。

チェックポイント
①干した時に邪魔にならない場所かどうか
②干すスペースが十分足りるかどうか
③仕分けスペースがあるかどうか
④湿気対策ができるかどうか

洗濯機があり、服を脱ぎ着して、洗濯物を干して、洗剤やタオルなどの収納も必要で
洗面台もあったら・・・

狭い空間に様々なものがひしめき合います。

家事動線としてはとても便利ですが
干している洗濯物が邪魔になっては元も子もありません。

邪魔にならない物干し金物の位置
にすることが何よりも大事です。

湿気対策も忘れずにしたいですね。
洗濯機や洗面台以外のコンセントをつけましょう。

こちらは3帖の洗面脱衣室兼用のランドリールームです。
最低でもこれくらいはほしいところですね。
洗濯機の上~カウンターの上が物干しです。
キッチンのすぐ横なので
家事動線は楽になりそうですね。

9.ランドリールームに必要なもの

物干し金物を設置したらよし
ではランドリールームとしては物足りないですね。
住んでみてから、これどこに置く?
となるものもあります。
事前に想定して使いやすいランドリールームを目指しましょう。

1)仕分けスペース

乾いた洗濯物をどかっとおくスペースは必要です。
これがないと、
かごにいったん入れてリビングに移動して仕分け
という面倒なことがおこります。

どれくらいの広さがいいか
ちょうどいい高さはどうか
自分に合わせたものにしましょう。

アイロンかけをここでする
という方はそれなりのスペースが要ります。
立って使うか、座って使うか
によって高さも変わります。
ご自身のベストな高さに設定しましょう。

2)洗剤置き場

当たり前と思っているかもしれませんが。

洗面化粧台が洗濯機の横にある場合は
その引き出しに入れていることが多いと思います。

でも今、洗面台を単独で廊下などに設置することが増えています。

そうなるとランドリールーム(脱衣室)に細かい物を収納する場所が
無くなるんです。

棚を1枚つける
引き出しラックを置くスペースをつくる

など対策しましょう。

3)ハンガー、洗濯ばさみ置き場

物干し金物にかけっぱなし
で済むなら大丈夫ですが。

ハンガーをかけっぱなしにするのが嫌
という方は対策しましょう。

4)バスタオルかけ

脱衣室兼用ランドリールームなら
お風呂上りに使ったバスタオルをかける場所
を考えておきたいですね。

毎回全員、使ったら即洗濯機、なら心配ないですが。

5)湿気対策のためのコンセント

除湿器を置いたり、サーキュレーターを置いたり
コンセントが必要になります。

置いた時邪魔にならない位置、広さも
確保しておきましょう。

6)足ふきマット置き場

脱衣室兼用の場合、要注意です。
これ意外と邪魔になりませんか?
忘れがちですが。

洗濯機の横のすき間に置く
という方が多いかもしれないですね。

浴室を片開きドアにして
ドアの脱衣室側にタオルバーをつける
という方法もあります。
ユニットバスのオプションにあります。

しきっぱなしはダメですよ。
床が傷みます。

リフォームに伺うと
傷んでいる確率がとても高いのがこの部分です。

10.まとめ

いかがですか?

いろいろ細かいことがひしめくランドリールームです。
人によってやり方もさまざまです。

日頃の家事のやり方、使っている物を書き出してみましょう。

住んでから
あー、これ考えておけばよかった・・・
とならないようにしたいですね。

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