平屋の間取りが人気ですね。
建築費が高騰して
30坪程度のお家が増えて
だったら平屋でも
と考えるかたも増えているようです。
平屋ならではのメリットも多いですが
デメリットもあります。
今回は
平屋でおこりがちなデメリットを解消する間取りのポイントを
30坪程度の間取りの事例を交えてご紹介します。
これを書いている私は
設計事務所や住宅会社の設計職を経て独立した1級建築士です。
数社の工務店さんとの家づくりをしています。
今までたずさわった家づくりは300棟ほどあります。
その経験をいかして
【セカンドオピニオン間取り相談】
をおこなっています。
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目次
なんといっても
階段がなく上下移動がないので楽なことです。
朝の身支度
個室に忘れ物した時に2階に取りに行かなきゃいけない
2階は2階で掃除機が必要
2階建てに住んでいる方は
こういっためんどくささを感じたことがあるでしょう。
同じ移動距離だとしても
階段を上がることがあるかないかでは
楽さ具合が違います。
若いうちは気にならないかもしれませんが
40代50代になると感じるようになってきます。
家事にかぎらず
動線はコンパクトのほうが生活全体が楽です。
階段がないということは
単に楽、ということではありません。
歳をとった時
一番影響がでるのは足腰です。
階段は辛くなります。
寝室が2階にしかない
というお家は確実に困ります。
介護保険関係で高齢者のお家に伺うことがありますが
元気ではあっても
足腰が弱って段差が辛い
という方がほとんどです。
1階だけで生活が完結する平屋は
長く安心して住むには圧倒的に有利です。
【直下率】という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
2階建ての時に
1階と2階の柱や壁の位置がどれくらいそろっているかを見る指標です。
2階の柱・壁と同じ位置の1階に
柱・壁があるほうが
力が伝わりやすく構造上強くなります。
2階を支えるものが1階にないと
構造上不利になります。
平屋は
そういったことが無くなります。
また、近頃の間取りは1階に20帖超のLDKといった
木造では苦手な大空間を要望されるかたが多いです。
2階は個室なので
6帖や8帖といった小さい部屋がきますよね。
そうなると
柱や壁がない大空間の1階の上に
柱や壁ができることになります。
これが木造在来工法では苦手な部分です。
平屋になれば
2階を気にせず大空間をつくりやすくなります。
開放感のある空間を目指して
天井高を高くしたい
という方もいますよね。
2階建ての場合
2階を支えるため
天井裏にある梁の大きさを大きくする必要があります。
なので
天井高に制限がでてきます。
平屋の場合
2階を支える必要がないので
梁を2階建ての場合より小さくできます。
その分天井高を高くできるわけです。
屋根居合わせて勾配天井にもしやすいですね。
同じ30坪の家を建てるために
2階建てよりも平屋のほうが
広い土地が必要になります。
田畑が広がり土地が安い郊外なら問題ないですが。
そこそこ交通の便がよく
住宅街を望むと
平屋が建てられる土地を見つけることは
ハードルが高いと言えます。
「憧れの平屋」と言われる理由がこれですね。
同じ面積の建物でも
平屋のほうが2階建てよりも建築費が高くなります。
意外に思われるかもしれませんが。
高くなる理由は
屋根と基礎の面積が広くなるからです。
同じ30坪でも
建築費が高い平屋を建てるという選択は
資金に余裕があるからできることかもしれません。
これも
「憧れの平屋」と言われる理由ですね。
2階建てなら
LDKと寝室と子供室と
すべて南面に向けることもやりやすいですが。
平屋は
すべての居室を日当たりのいい面に並べることは
難しくなります。
2方向に道路がある
という敷地ならまだいいですが
南にしか道路がなく
残り3方向に建物があると
部屋の目の前が建物
という部屋ができてしまうことが多いです。
2階建てではあまりLDKの音を気にすることはないですが。
平屋となると
LDKの隣に寝室や子供室がくることがあります。
そうなると
壁1枚隔てただけでは
リビングのテレビの音が
隣りの寝室や子供室に聞こえます。
勉強をしている邪魔になる
寝室で静かに読書したいのに音が気になる
という問題が発生します。
周囲に2階建ての家に囲まれていると
屋根が日陰になることが多くなります。
太陽光パネルをのせても
発電効率が2階建てより落ちるかもしれません。
LDKの音が個室に聞こえることを防ぐために
LDKと個室を隣にならないような
間取りにしてほうがいいです。
間に
洗面や浴室といった水回りを入れると
家事動線もよく
生活動線もコンパクトになり
おすすめです。
玄関を中央にする
というのも廊下を減らすことができます。
どうしてもそこまでが無理なら
クローゼットや納戸といった収納を
LDKと個室の間に入れましょう。
それも難しいなら
壁のなかに防音効果にある断熱材を入れるという手もあります。
ですが
ドアはそのままなので防音効果はそれほど高いわけではありません。
こちらの間取りは
LDK-水回り-個室
で別れたゾーニングにしてあります。
水回りを個室とLDKの間にもってくると
生活全体の動線が短くなります。
また、平屋にありがちな
LDKが廊下状態
になることがありません。
LDKも寝室も子供室もすべて南向き
はむずかしいでしょう。
ですが
全ての部屋が南向きじゃないと快適にならない
わけではありません。
寝室は南というより東に向いていると
朝も目覚めは良くなるかもしれません。
朝日を浴びると目が覚めますよ。
逆に
西日が当たる寝室ですと
夏の夜に暑さが残ってるかもしれません。
北側からの採光も悪くないですよ。
安定した明るさが得られます。
北側道路の敷地の場合
南から最高を得ることが難しいこともあります。
そういう場合は
北側に大きな窓をとって
北に向けて開放させるような部屋でも
広々した感じは得られます。
周囲を建物に囲まれた敷地ですと
LDKでも明るさを得ることが難しい
開放感があまりない
ということもあります。
そういう場合は
勾配天井にして
高い位置に窓をつくる
という手もあります。
高いところの窓は空が見えることもあり
気持ちのいい開放感がありますよ。
完全な平屋は金額的にも敷地的にも
難しい・・・。
ということも多いですね。
そんな時は
半平屋
がおすすめです。
子供部屋だけを2階にします。
平屋の最大のメリットは
歳をとった時の生活の楽さです。
これを得るためには
寝室が1階にあり
大人は1階だけで生活が完結すればいいわけです。
ファミリークローゼットを1階につくって
子どもの衣類も1階に収納できるようにすれば
洗濯物の片付けも楽です。
ただし
2階が子どもだけのエリアになるので
掃除や片付けを責任をもってやらせる
ということが必要かもしれませんね。
いかがでしょうか。
人気の平屋ですが
デメリットや苦手なことはあります。
敷地の状況にもよります。
上手にメリットを活かした間取りを目指してくださいね。
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