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30坪で家事動線を最優先した間取りになったAさんの家づくり

家事動線の良い間取りにしたい

注文住宅で要望を伺うと

必ずといっていいほど入っている要望です。

では【家事動線が良い】とは
具体的にどういう状態のことでしょうか?

人によって家事の得意不得意は違いますし
やり方も違います。
そのひとに合わせた家事動線にしなければ
意味がありません。

今回は実際に
家事動線を優先して設計した間取りとなった
Aさんの家づくりの過程を含めてご紹介します。

何をどう考えたら
自分達の暮らしにぴったりの間取りになるか
考え方の参考にしてくださいね。

これを書いている私は
設計事務所や住宅会社の設計職を経て独立した1級建築士です。
地域密着型工務店から外注で
間取りの作成、打合せ、申請業務を請け負っています。
建築家がつくる哲学的なこだわりの家ではなく
お施主様のこだわりにこたえる注文住宅を設計しています。
今までたずさわった家づくりは300棟ほどあります。
その経験をいかしてセカンドオピニオンのご相談も受けています。

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1. 30坪程度で家事動線を最優先したAさんの家

注文住宅で家を建てることになったAさんから
設計のご依頼がありました。

土地の広さと予算から
床面積は30坪ちょっとということでした。

30坪であれこれ詰め込むのは
なかなか限界があります。

その中で最優先したのが

家事動線
その中でも洗濯動線

でした。

なぜそうしたかというと・・・。
この最優先事項はすんなりでてきたわけではありません。
それについては後ほど解説します。

家事動線、といっても
家事はいろいろありますね。

料理、洗濯、掃除、名もなき家事といわれるようなゴミ捨てなんかもあります。

その中でAさんの奥様は
洗濯をとにかく楽にしたい!
という要望でした。

なぜなら、洗濯がとにかくキライ、だったからです。

それに対して
キッチンにいる時間は好き!
というAさんの奥様でした。

そこで
洗濯をとにかく楽にする方法
を考えました。

2.洗濯を楽にするための家事動線


間取りをどうするかの前に
Aさんの理想の洗濯の方法を伺いました。

夜にご自身がお風呂に入っている間に洗濯機を回す

終わったらハンガーにかけて室内に干す

朝、ハンガーにかかった洗濯物をベランダに出す

乾いたらハンガーごとクローゼットにかける
下着などは引き出しに収納する

この動きを図にするとこんな感じです

脱いで洗濯する脱衣室-いったん干すランドリー-朝干すバルコニー-取り込むランドリー-しまうクローゼット

これらを
廊下や他の部屋を通らずにほぼ一直線にする
これがAさんにとっての最短の洗濯動線です。

そして、これをするためには
必然的に浴室が2階になりました。

最初から浴室を2階に希望されていたわけではありません。
2階のユニットバスは金額も高いので。

2階にこれらをもってくると
キッチンから遠くて家事動線が悪いのでは?
ということも検討しました。

◎キッチンでの家事が終わった夜に洗濯をする
◎朝1階に降りる前にバルコニーに干す
◎キッチンからすぐ階段に行ける

ということでそこはOKとなりました。

こうしてAさんにとって
一番苦手なことを最大限楽にするための洗濯動線
が出来上がりました。

今回のAさんは洗濯動線を優先して考えましたが
家事動線は洗濯動線だけではありません。

こちらの記事に家事動線について
詳しく書きましたので参考にしてくださいね。

3.洗濯動線以外で優先した家事動線

Aさんは料理が好きで
お米を農家さんから1俵買ったり
お味噌をつくったりするそうです。

なので、
キッチン横に土間が欲しい
さらには、玄関からも入れるようにしたい
とのことでした。

玄関→土間収納→キッチン

という動線です。

この動線
家庭菜園をやっている
魚釣りが趣味
ダンボールで箱買いすることが多い

というご家庭にもお勧めです。

4.その他の要望

1)リビング吹抜けがほしい

Kさんの土地は住宅街で北側が道路でした。

南がわの隣家が敷地ギリギリに2階まで建っていて
30坪くらいの家を建てると南の隣地までどうしても3m~4mくらいです。

リビングに大きな窓をもってきたとしても
見えるのは隣家の壁・・・。
明るさもあまり期待できない・・・。

ということで
リビングには吹抜けで明るさを確保
ということになりました。

2)LDKはできるだけ広く

これもよくある要望ですね。

寝室は寝るだけ
ほとんどLDKで過ごす
そのためにLDKの快適さを優先しました。

2階に浴室をもっていったおかげで
広いLDKを確保できました。

3)ご主人の書斎は家の隅

自営業のご主人
家で書類仕事をされます。

家族からできるだけ離して家の隅に配置しました。

そうしたのは明確な理由があります。
でも、それも最初から要望されていたわけではありません。
なぜそうなったのか。
最後に解説します。

4)トイレにお金をかける

床から浮いてるトイレ

これを採用しました。

トイレを優先したのも理由があります。

一人になれる空間のトイレ

ここを心地よい空間にすると
家全体の印象がよくなりますよ。

飲食店でもそういうことありませんか?
トイレの居心地がいいとお店の居心地がいい。
住宅でも同じだと思います。

5.家事動線を優先するために省いたこと

こういった要望を叶えるために
逆に、省いたこともあります。

個室の広さです。

特に、子供部屋は2人で7帖です。
収納もありません。

ベッドの下が収納のやつ必須!!!
遊ぶならリビングで!!!

夫婦の寝室も6帖です。

寝るだけなので何も問題ない!

とのことでした。

収納もそれほど多くはありません。
土間収納、ウォークインクローゼット、押入
ここを駆使するしかありません。

ウォークインクローゼットもそう大きくはありません。
ランドリーに引き出しで収納できるものは収納する。
ということが前提になります。

必要な収納量については
各家庭でさまざまです。

これだけははっきりしていることがあります。

収納場所の広さに比例して
物をため込む

ということです。

収納が広ければ
かたづけがはかどるかというと
そういうわけではありません。

あなたの家庭での
適正な収納の広さ
これを見極めることは
家づくりでとても重要ですよ。

6.この優先順位に至るまでに考えたこと

Aさんは、最初からすんなりと
この優先順位ができたわけではありません。

家づくりのご相談を受けた時に
間取りの要望を伺うのと合わせて
ハウジングコーチ
というものをやりました。

詳しくはコチラ

過去(子供の頃)に住んでいた住まいのこと
今の暮らしでの習慣
苦手なこと、好きなこと
物を選ぶときの好み
好きな空間
大切にしたい家での時間

こういったことを質問していき
お二人の「暮らしの価値観」を聴きだしていきます。


■奥様
 ①洗濯がとにかく苦手、干す-取り込む、これを楽にしたい
 ②トイレにいる時が重要、追われない、ほっといてほしい
 ③風がとおるところが好き
 ④ていねいな暮らし

■ご主人
 ①せまいところ、一人が好き
 ②寝る前何もしない、気を使わない
 ③メンテナンスフリー大事
 ④ゼロにして次にすすむ時間

子育て中の奥様にとって
トイレは唯一の一人の時間、追われない時間
だからトイレ空間がとっても重要

ということで
奥様が希望された
床から浮いたトイレ

になりました。

ご主人は
子どもの時、廊下のつきあたりの隅っこが好きだったそうです。
狭くて一人になれる空間は
リセットして次の日を迎えるために必要な空間でした。

という理由で
ご主人の書斎は家の一番隅です。

こうして
先に書いたような優先順位を決めていきました。

Aさんの家づくりは
苦手なことは極力楽にする!
好きなもの、大事な空間は優先して確保!

ということに振り切った家づくりになりました。

こうして出来上がった間取りがこちらです。

7.あなたにとって最高の間取りにするために

間取りに正解はありません。
他の人にとっては必要でも
あなたにとって必要とは限りません。

今、家づくりをされるかたの多くは
情報収集に熱心です。

それは悪いことではありません。
知識を得るために必要なことでもあります。

でも、情報に振り回されている人がとても多いのです。

あなたにとってベストかどうかは
あなたの過去現在の暮らしをよく観察して
未来がどうなっていたらいいのか想像する

そうすることでしかわかりません。

ネットの中では絶対にわかりません。

あなたが欲しいものは確実に手に入れて
あなたにとって重要ではないことには振り回されないこと
これが家づくりの成功のカギです。

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