愛知・岡崎・西三河の建築士設計事務所。家づくりセカンドオピニオンは全国対応です。

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ファミリークローゼットが意外と不便な理由

近頃の間取りで増えているものに
ファミリークローゼット
があります。

家事が楽になるイメージ、片づけしやすいイメージ
で要望される人が多いように感じます。
5,6年前にはあまり見なかった部屋です。

ところが、
実際は使いづらかったり、思ったように使わなかったり
イメージとは違うこともあるようです。

ファミリークローセットとはどういう役割の部屋なのか
使いにくいのはなぜなのか
どういうファミリークローセットなら快適に使えるのか
事例を交えてご紹介していきます。

この記事を書いている私は
地場の工務店で設計職を勤めた後、2013年に独立した一級建築士です。
今まで7,8社の工務店さんの注文住宅の設計を請け負ってきました。
毎週末、平均2,3組のお施主様と家づくりの打ち合わせをしています。
いろいろな工務店さんと家づくりをしているからこそわかること、
これから家づくりをされる方が失敗しないような情報をお伝えしていきます。

1.ファミリークローゼットとはどんな部屋?

家族誰もが使えるクローゼット
ファミリークローゼットです。

従来の間取りの多くは、クローゼットは寝室・子供室に付属してついていますよね。
着替えるのは寝室、個人の持ち物は基本的には個人の部屋に収納、という考えがあるからです。

でも、日常の生活動線を考えたとき、
下着やパジャマはお風呂入るときにわざわざ寝室に取りに行くより脱衣室にあると便利じゃない?
あちこちの部屋に洗濯物を片付けるより1室にあるほうが家事が楽じゃない?
という考えから
みんなの衣類が収納できるファミリークローゼット
ができました。

2.ファミリークローゼットのある間取り

一口にファミリークローゼットといっても
大きく分けて2つのパターンがあります。

1)1階脱衣室近くにある場合
2)2階の寝室近くにある場合

順番にみていきましょう

1)1階脱衣室近くにあるファミリークローゼット

脱衣室近くにある場合、下着やパジャマの収納がメインになります。
上記で書いたように、お風呂に入る時に必要になるもの、という考えです。

また、外から帰ってきた時に着替えて脱いだものを洗濯機にすぐ入れる、という人も
脱衣室そばにファミリークローセットがあると便利です。
スポーツする人や作業着で仕事する人などですね。

そういう場合は、下着だけじゃなく部屋着も収納することになるので
それだけの量の収納スペースが必要になります。

その場合、ハンガーにかける収納より
引き出し式の収納がメインになりますね。

帰ってきた時にここで着替えるなら
収納だけでなく着替えることも想定した広さや配置を考える必要があります。
玄関から見えるところだと着替えるのはちょっと困りますね。

このお家は乾燥機で乾かすことがメインのお家です。
脱衣ランドリーで洗濯~乾燥~仕分けをして、
下着類はファミリークローゼットへ収納できます。

また、洗面の近くでもあるので
帰ってきて手を洗って、上着とバッグを置く場所としても使えます。

2)2階寝室近くにあるファミリークローゼット


家族共有のウォークインクローゼットです。

個室に十分な収納がつくれない
子供室の使い方が未定
全ての衣類を1か所にしたい
季節外の衣類をしまう

といった理由が考えられます。

個室にクローゼットがなく、すべての衣類がここにある場合は
かなりの収納量を確保しておかないと
後々、片付かない家、衣替えが面倒な家、になってしまいます。

また、誰からもアクセスしやすいように
各個室の中心に配置することが重要ですね。
ドアあけたら目の前がクローゼット、となることが理想です。

こちらのお家は寝室と子供室の間にファミリークローゼットをつくりました。
一人がハンガーパイプ1本分、という考えで大きさを決めています。
寝室からすぐ隣なので
着替えるのは寝室でも不便ではないですね。

3.ファミリークローゼットのメリット

1)洗濯物の片付けが楽になる

洗濯し終わった衣類を個室にそれぞれ持っていくのは面倒ではありませんか?
家族に自分で持って行って欲しくて置いておくと
いつまでもリビングに置きっぱなし、ってこともありませんか?

それが解消されるのがファミリークローゼットです。

ファミリークローゼットにしてみんなの衣類を1か所にもっていくようにすれば
それぞれの個室にもっていかなくてもすみますよね。
これで洗濯物のかたづけはぐっと楽になります。

洗濯物を干す場所の近くにあれば、さらに動線が短くなります。
ただ、室内干しする場所=ファミリークローセットの間取りも時々みますが
湿気が高くなるので
換気が良くなる工夫、湿気に強い壁材、など、気を付けたいですね。

2)生活動線が楽になる

お風呂に入る時、どこにいることが多いですか?
リビングですか?キッチンですか?
そこから2階の寝室にパジャマを取りに行きますか?

そういう人は脱衣室そばにファミリークローセットがあると便利ですね。

外から帰って着た時にすぐ部屋着に着替える
バッグや仕事道具を1階に置きたい
そういう人もそのために個室に行くより
1階にファミリークローゼットで収納と着替えるスペースがあると楽です。

子どもが小さいときは着替えを親が手伝うと思います。
朝バタバタと家事と自分の支度と同時進行の人も多いですよね。
そんな時は全部が1ヵ所にあるファミリークローゼットだと
あちこち行かずにすみますね。

4.こんなファミリークローゼットは使いづらくなる

とても便利そうに見えるファミリークローゼットですが
よーく考えてつくらないと
実は使いずらい、ということになります。

1)家族の生活動線にあっていない

1日にいつ、何回、どこで着替えますか?
そんなこと気にしたことない、という人がほとんどだと思いますが
これを把握できていないと
使いずらいファミリークローゼットになる可能性大です。

着替える回数、タイミングは人によって違います。

起きてすぐ着替えるなら
ファミリークローゼットより
寝室内にあるほうが便利です。

仕事から帰ってきてカバンは共有スペースにおくより自室や書斎におくなら
結局は個室にいくので
ファミリークローゼットで着替えなくても動線は変わらないかもしれません。

共有スペースで着替えることに抵抗のある人もいます。
そういう人は、いちいちファミリークローゼットに服を取りに行って個室にもどってくる手間が
かえって面倒になります。

家族みんなが同じ生活動線ではないし
同じ嗜好ではありません。

衣類をしまう時には1ヵ所だと家事動線は楽ですが
自室以外に衣類があることで
家事以外の動線が楽になるのか

日頃の生活習慣と照らし合わせて考えることが必要です。

かえって片付けにくくなり出しっぱなしになる可能性もあります。

2)着替える時に不便になる

お風呂からでた時以外は、
着替えるのは、衣類が収納してあるところの近くが基本だと思います。

ファミリークローゼットに場合、
そこで着替えますか?
個室に持ってきて着替えますか?

家族一緒の場所で着替えることを
家族みんなが気にしないならいいですが。
上記で書いたように、
個室で着替えたい人にとっては
自室に衣類が無いのは不便です。

家族全員が気にしないとして、
みんながファミリークローゼットで着替える場合も
朝の出かける支度の時に重なると狭くて着替えずらいです。
収納量だけでなく、着替えるスペースも必要になるので
そこそこの広さが要ることになります。

結局、自室に洋服掛けを置くはめになったら
元も子もありません。

3)子供が成長したら嫌がる

家族のいるスペースで着替えることを嫌がる
自分の持ち物が家族共有のスペースにあることを嫌がる

思春期になれば十分にあり得ますよね

おしゃれ好きな子や自分の物が多い子はなおさらです。

その時にはタンスを子供部屋におけばいい
という考えもありますが
置き家具は収納量が少ない、背の高い家具は地震の時に危険
ということは頭にいれておきましょう。

収納量が足らない子供室で
かたづけがキライな子になってしまう、、、なんてこともあるかもしれません。

子供部屋のことなんてどうなるかわからないから
たいして考えない方が多いですが
最低限の収納は用意したほうがいいでしょう

4)何をどこにしまうのか仕分けが面倒

1階のファミリークローゼットに下着や部屋着だけおいて
それ以外は自室のクローゼット
とした場合。

下着、部屋着、といっても
具体的にどれとどれなのか、わかりますか?

パンツはお風呂入ったときに着るから1階
靴下は朝起きた時だから2階
Tシャツは?1階?2階?
女性の場合はさらにアイテムが増えて複雑です。

2階で着替える時にほしいと思ったアイテムが1階にある
となったら。
面倒ですよね。

さらには、洗濯物をしまうとき
本人が自分で仕分けて1階2階と分ければいいですが。
「このTシャツはパジャマだから1階、これは出かける用だから2階」
なんて言われたら・・・。
家事を担う人は爆発しそうです。

じゃあ面倒だから全部1か所のクローゼットで1階に配置するとして。
朝着替える時は?個室で着替える時は?
ということを考える必要がでてきます。

5)寒くて冬に着替えることが苦痛になる

朝起きてファミリークローゼットで着替える場合
寝室から出てパジャマのまま移動するとき
寒かったら嫌ですよね

今建てるなら、高気密高断熱化が進んでいるので
昭和の家のように、暖房されていない廊下が外みたいに寒い
ということはほぼありません。
ですが、寒くない、わけではありません。
薄着では寒さを感じるでしょう。

本当に高気密高断熱の家では
冬でも個室以外も室温17度以下にならないようになっていたりします。
全館空調があって家じゅうに空調が効く、という家もあります。

そこまでの断熱や空調がない家では
寒がりな人、朝が苦手な人にとって
寝室からでて着替えるのは苦痛になりそうです。

5.使いやすいファミリークローゼットにするためには

1)補助的なクローゼットと考える

家族みんなの衣類を1か所
というのは無理があります。

特に子供がまだ小さい場合、成長してどうなるかは本人次第です。
子供室にもクローゼットはつくりましょう。

季節外のもの、めったに着ないもの、旅行鞄、
を収納する場所として考えましょう。

家族共有の場で着替えることは嫌
自分のものは自分の部屋に置きたい
という人への配慮を忘れずに

2)帰ってきた時にすぐ脱ぐものを置く場所とする

冬のコート、作業着のジャンパー、制服、仕事鞄、バッグ
明らかに「外用のもの」とわかるアイテムのみなら
迷わずに済みます。

この場合は玄関からの延長にあると
日常の動線が楽ですし
脱いだジャンパーがリビングに散らかってる
ということが防げます。

ただ、その日着ていたコートをかけるだけなら
ファミリークローゼットにするほどではなく
コート掛けがあれば足りると思います。

3)お風呂はいる時に必要なものだけにする

脱衣所そばにファミリークローセットをつくるなら
お風呂に入るときに必要になるものを収納する場所
としましょう。

パジャマと下着
下着といってもお風呂から出たときに身に着ける下着です。

全ての衣類をここにすると
朝着替える時に脱衣室近くのファミリークローゼットまで来て着替えるのは
不便だと思います。

平屋なら、寝室と脱衣室が近い場合
1か所のファミリークローゼットで済みます。
平屋のメリットですね。

6.まとめ

いかがですか。

ひとくちにファミリークローゼットといっても
いろいろなことを考えなければいけないことがお分かりいただけましたか。

間取りに生活をあわせるのではなく
どういう生活習慣、動線なのか
そのためには何がどうなっているのかいいの

と考えるのが間取りです。

間取りで迷ったら
図面だけをみてあれこれ悩むより
日頃の生活習慣を細かく分析して間取りに落とし込む作業が必要です。

自分ではわからないという人は
プロの手を借りると解決は早いです。

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