空き家が増えている、ということが社会問題となっているのはみなさんなんとなくご存知だと思います。
では、なぜ空き家が増えているのでしょうか?
この問いにほとんどの人が「人口が減っているから」と答えるのだそうです。私もそう思っていました。
ところが、そうじゃないんですよね。
昨日空き家講習会に参加したのですが、空き家が増えている理由は
高齢化+単世帯の増加、だそうです。
人口は減っていても世帯数は増えている、というのはなんとなく肌感覚でありますよね。
世帯数の増加の中でも、単世帯の増加率が一番大きく、単世帯の中でも65歳女性の単世帯がだんとつに多いのだそうです。
高齢者の単世帯ということは、おそらく近い将来亡くなるか施設に入るので、それは空き家になる、ということです。
そして、遠方に住んでいる子供が空き家を相続する、ということです。
遠方に住んでいると、ほったらかしになってどんどん朽ちていきます。なんであの状態でほったらかしにしてるんだろう、と思うような建物を見ることがありますが、持ち主は目にすることがないから気にならないんでしょうね。気にしてもらわなきゃいけないんだけど。
中古住宅をリノベーションしてかっこよくした事例をメディアで見かけますが、実際はそんな事例はごくごくわずかで、そもそも何か手を施す状態にするまでにいくつものハードルがあるそうです。
相続未登記
所有者が認知症で行為能力なし
相続したけど兄弟姉妹で共有で意見が合わない
所有者が遠隔地
そもそも所有者不明
これらが空き家問題の根底にあります。
単純に、こういう方法がある、ということで解決するものでもなく。結局は、持ち主が理解をし判断をし行動を起こしお金をかける、ということができないと、なかなか前には進まないのです。
昔は、家は継いでいくものでした。個人の希望より「家」が優先でした。でも今は個人の好みが優先されます。
子どもが結婚して世帯をもって家をどうするかとなった時、親と同居という選択をする人はほんのわずかですよね。ということは、多くの家が親族が住み継ぐことなく空き家になるんです。
少なくとも手入れが行き届いていればその先の使い道は増えますが、手入れのしてない状態の悪い家は困りものです。
空き家問題は賃貸住まいじゃない限り誰にでも関係してくることです。
あなたの住んでいるその家、あなたがいなくなったらどうなるか考えたことありますか?