年収が多い人が家にお金をかけて建てている、って思いますか?
実は必ずしもそうではありません。特にこの数年は年収と家の金額は比例しない傾向が高まってきている気がします。あくまでも私が感じる傾向ですけど。でも、業界の人と話していても否定されないからたぶんそうなんだと思います。
昔は、年収が高い人とか、ある程度の地位にある人とか、地域の名士とか、そういう人は自分が家に興味あろうがなかろうがそれなりにお金をかけていい材料でいい職人で優れた技術だとわかる家を建てていたように思います。
でも今は個人の好みが最優先なので、お金を持っていても家に興味なかったらお金かけないんですよね。
夫婦そろって一流企業に勤めていてもローコスト系のメーカーで建てていたり、30坪くらいの建売住宅に住んで車はベンツとかレクサスとか。
逆に、年収がそんなに高くなくてもインテリアに興味ある人やおしゃれな人はこだわりの家づくりをしようとします。
自分たちの限りあるお金を、自分たちが好きなものだけにお金をかける、そういうメリハリのあるお金のかけかたになってきてると感じます。
いいとか悪いとかではなくてね。
ただ、やっぱり金額と質の良さはある程度比例すると思うんですよね、家に限らず。
興味がないからわからないから、お金をかける気にならない、っていうのであれば。
「何がいいのか悪いのか判断できないけどこれくらいのレベルの質が欲しい」っていうことをプロに言えば、望む質のものが手に入ります。
料理だってそうですよね。どんな材料でどうつくることがどう美味しくなるのかはわからないけど、ちょっと特別な日の食事はそれなりのレストランに行くわけです。
料理は人生のうちに数えられないくらいに機会があるから、特別な日もあればなんだっていい日もある。
でも家は一生です。人生と同じです。
ひとつひとつの物にたいしてのセンスうんぬんじゃなくて、生き方としてどういう質を求めるのか、家にはそれが表れます。
ローコストメーカーの家に住んでベンツに乗ってる人は、少なくとも「見る目がある」とはいえない気がしますね。
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