愛知建築士会女性委員会で、『住まいの絵本の魅力』と題して住まいの絵本館館長の北浦かほる先生をお迎えしての講演会がありました。
住まいについて書かれた絵本を通じて住環境について考える機会になれば、くらいのことを予測していたのですが。
とんでもなく深かったです、絵本の世界は。
まず、「住まいについて書かれた絵本」の幅が広く、先生は「家とは」「家族」「個の空間」「マナー」「日常の暮らし」など14に分類されていました。
そして、海外の絵本がとても多く、絵本に描かれる世界からその国その時代の家族観や子どもの教育感、そして、子供部屋のありかた、がはっきりと見て取れました。
欧米では、子供部屋は「親が貸し与える空間」であって、その家の中の一番よくない環境、例えば小屋裏など、につくることが多いそうです。
そして、子どもがよくないことをした時に閉じ込める場所であり、怒りなどの感情がわいた時に一人になって自分と向き合う訓練の場所、でもあるそうです。
川の字になって親子で寝る、という文化の日本との大きな違いを先生は指摘されていました。
自律、自己主張する、ということを家庭内でも子供のころから自然と養われていく文化があるのですね、欧米は。
そもそも、日本の絵本には子供部屋が描かれた本が少ないんだそうです。
それからもう一つ印象的だったことは。
日本では「協調」をテーマとして読み取れる本が多いことにたいして、欧米は「共生」が多いということ。
みんなで一緒に仲良く、っていうような日本に対して、全然違うことしてそれぞれ楽しんでる、という欧米。
どちらが良くてどちらが悪いということではなくて、
文化の違い、文化というのはDNAですりこまれていて当たり前の感覚になっているのだな、ということを深く感じました。
親の目の届くところで勉強をすることがいいのか、勉強してるかどうかわからないけど子ども一人にして任せることがいいのか。
リビング学習が流行とか営業マンのセールストークに乗せられるのではなく、親がどう子どもと向き合うのかを考えた結果で、子ども部屋をどうするか、決めてほしいなと思います。
そんなふうに家族のありかたを考える機会が家づくりです。
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