今回ご相談いただいたT様は
間取りがほぼ決まって
電気配線の提案図面をいただいている段階でした。
実際にどんな質問がありどう対応したのか
ご紹介します。
これを書いている私は
設計事務所や住宅会社の設計職を経て独立した1級建築士です。
お施主様の暮らしとこだわりにこたえる注文住宅を設計しています。
今までたずさわった家づくりは300棟ほどあります。
その経験をいかして
【セカンドオピニオン間取り相談】
をおこなっています。
セカンドオピニオン間取り相談の概要はこちら↓↓↓
目次
当初いただいた質問は
各部屋の明るさは大丈夫か
照明やスイッチ、コンセントのアドバイス
エアコンの位置はこれでいいか
カップボードの奥行が隣の収納と奥行がそろわないがどうするか
夫が書斎で音楽を聞くので隣の子供室で気にならないか
狭いところ、使いづらいところはないか
というご質問でした。
打ち合わせ終盤になると
なんとなくモヤモヤする
といったふわっとした迷いではなく
質問がピンポイントで具体的です。
まずはメールで
簡単なことから回答させていただきました。
エアコンが2か所、隠ぺい配管になっていました。
建物正面にエアコンを出さないため
目立たない位置にエアコンをもってくるため
そうなっていたようです。
隠ぺい配管は
エアコンの機種が限定される、
取替え工事施工が難しいので割高になる、
断る業者もある、
不具合があった時に原因特定が難しい、
などデメリットがあります。
そのあたりを了承していれば、見た目優先でいいとは思いますが。
その後のエアコン取り替え時も工務店さんが対応してくれるといいかもしれません。
隠ぺい配管はできればやめたほうがいいです。
それはわかっているから悩むのだと思います。
デメリットがあるものを採用しようかどうしようか悩む場合は
デメリットを上回るメリットがある
と納得できれば
採用すればいいのではないでしょうか。
梯子で小屋裏に上がるタイプの小屋裏収納がありました。
立面図から判断して
上がった先が天井高70~80センチくらいなのでは・・・。
その奥は広いのですが。
T様も天井高がそんなだとは思っていなかったようでした。
小屋裏収納がある場合
私は立面図に点線で位置を書き入れます。
この天井高にしかならない
ということがよくわかるので。
低いことがわかっていて採用するならいいですが
できあがったら
え!こんなに低いとは思わなかった!
とならないようにしたいですね。
他にも
キッチン収納の奥行の決め方
書斎と子供室の音漏れにどう対応するか
についても回答をお送りしました。
おもに
照明計画
窓の配置
についてお話ししました。
間接照明が何か所か計画されていました。
玄関ホールには
壁を照らすコーニス照明が計画されていました。
コーニス照明は天井を彫り込んで
上から壁を照らすやり方です。
それがリビングに入るドアの上までありました。
その下にドアがあるということは
光源の下を人が通ることになります。
上の図の①②のやり方ならまだいいですが
③のような安易なやり方ですと
光源がまともに見えます。
カッコ悪いです。
トイレや廊下でコーニス照明がやってある店舗などで時々こういうのを見ますが
カッコ悪いな
って思いますね。
T様には
壁の絵を照らすなら
ウォールウォッシャータイプのダウンライトをお勧めしました。
T様邸はキッチンの前がリビングなのですが
キッチンとリビングのあいだの
通路のあたるところに
ダウンライトが配置してありました。
部屋の端で主照明が届きにくい位置に照明を配置するかどうか
意見がわかれるところです。
部屋の隅々まで明るくしないと
「暗い」という人もいます。
ここが少し暗くてもここで何かするわけではないので
困ることはありません。
暗く感じるかどうか、だけです。
学校や事務所のように均一にくっきり明るい部屋が好みか
明暗があって雰囲気ある照明が好きかどうか
その違いですね。
T様邸は
LDK自体は比較的広くリビングとキッチンダイニングはゆるく分かれた配置で
間接照明や吹抜け照明を使うなど
雰囲気を重視されていました。
リビングとキッチンの間の照明を点けることはないのでは
となりました。
T様邸はリビングの上が吹抜けになっていました。
掃出し窓の上か、テレビ上部の壁にハイサイド窓か
つけようかどうしようか迷っていらっしゃいました。
内観でみても外観でみても
吹抜け窓はないほうがいい
とアドバイスしました。
窓が無くてもすでに空間として広く
掃出し窓もあるので
ここの窓がなくても暗さや狭さはないからです。
これは後日内観パースでも確認していただきました。
吹抜け窓がないほうが
掃出し窓の大きさがくっきりする
と納得していただきました。
ZOOMでは
私が一方的にアドバイスするだけではなく
どういう要望をだしたのか
どういう点が気になるのか
どういう好みなのか
伺いながら対応していきます。
図面や資料をもらっただけでチェックするのでは
施主さんの意向や好みやこれまでの経緯まではなかなかわからないので
ZOOMで直接お話しを伺うことはとても重要だと感じています。
■ZOOMでお話ししたことのまとめ
■補足するための展開図
■いただいた図面にチェックを入れたもの
これを後日お送りしました。
内容の一部がこちらです。
設計での図面作成は
どちらかというと現場でつくる人にむけて詳細に書きます。
それをそのままお施主さんに見せても
白黒で線と文字がびっしりかかれた図面からは
なかなか立体をイメージできないですよね。
セカンドオピニオンでの展開図は
建築の素人である施主さんが
今の平面図を読み取るとこういうものが出来上がるよ
ということがわかるように
色をつけたり
比較できるものを描いたり
コメントをつけたり
工夫をしていきます。
今回は内観パースの作成もおこないました。
内観パースは
間取り相談さくっとコースではオプションになります。
間取り相談じっくりコースではコースに含まれます。
吹抜けがどれくらいの高さなのか
キッチンからリビング、テレビ、庭がどう見えるか
ダイニングテーブル横の空間の距離感
床の貼り分け位置がどう見えるか
ブラケットライトの高さはいくつだとちょうどいいか
といったことを確認していただきました
ZOOMでCAD画面を共有しながらお見せしますので
見たい角度から見ることができます。
それを何か所かピックアップして
画像にしてお送りしました。
パースはイメージを伝える程度で終わってしまうことが多いですが
CADで動かしながら見ると
いろんな角度から確認できるので
設計者とお施主さんとのイメージの共有がしやすいですね。
T様、このたびはご相談ありがとうございました。
T様はたくさんのハウスメーカーや工務店をご検討されたとのこと。
じっくり考えられただけあって
目指すイメージや自分たちの好みも
しっかり把握していらっしゃいました。
新しい家の完成が楽しみですね。
家づくりの打合せでは
依頼先の担当者さんももちろん相談にのってくれるでしょう。
でも、あくまでも施工する側、
テーブルの向こう側にいる人です。
セカンドオピニオンでの私は
お施主さんの隣に座って同じ方向を見ている人です。
打合せでこんなこと言われませんか?
「次までに考えてきてくださいね」
そういう時に一緒に考え、知識とアドバイスを提供するのが
セカンドオピニオンです。
あれこれ考えてはいるけれど
ほんとにこれでいいのか自信がもてない
実際にどうなるのかもっとはっきりイメージしたい
打合せ最終段階でのセカンドオピニオンは
そういう時に役に立ちます。
完成してから
あれ、イメージと違う・・・
ではなく
思い通りになった!
とするためにも
セカンドオピニオン間取り相談を上手に使ってくださいね。
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