「いい家」この定義はほんとうにさまざまです。あっちの会社で「いい」と言われたことがこっちの会社では「それほどでもないよ」と言われることなんてめずらしくありません。家づくりを提供してるハウスメーカーも工務店も建築家も、自分たちがつくってるものは「いい家」だと思ってます。そういう前提で営業トークを繰り広げます。
そのトークが集客するための営業トークなのか、本当にいい家を提供したくて考えて話していることなのか、それを専門知識のない素人が見抜かなければなりません。
家づくりはあれもこれもが同時に成り立たないことはいくらでもあります。すべてにおいて高性能でデザインも素敵で素材は安全な自然素材で・・・。なんて家はおそらく一般庶民では手が出ない金額になるかと思います。残念ながら今の日本の住宅業界はそうです。
そんな中で何が「いい家」なのかを考えて自分たちはこれを提供しようと決めて、どの会社も自分たちの考える「いい家」を提供しているはずです。
なので、営業さんなり工務店の社長なり、あなたに勧めてくる人にはこう聞いてください。
『他の方法を採用せずにその方法を勧めてくる理由はなんですか』
「方法」の部分は「工法」「製品」「素材」「方針」とも言えます。
たとえば「うちの会社では断熱材はこれ使ってます」だったら「あなたの会社で採用してない断熱材ってどんなものがありますか?それを採用せずにその断熱材を勧める理由はなんですか?」という感じです。
間取りでも「こういうプランを作成しました。いかがでしょうか?」とプレゼンされたら「他に採用しなかった間取りはどんなものがありますか?それをプレゼンせずにこのプランを見せてきた理由はなんですか?」
「うちの会社ではこういう工法でやっています。」「うちはこれを採用してます」「こういう段取りで進めていきます」「わが社はこういう方針です」
すべてにおいて、その理由を聞くのです。大事なのは「いろいろある中でなぜそうなのか」が説明できるかどうかです。
自分達の良さだけをアピールしてくるような会社は家づくりのあれこれを真剣に検討してない可能性が高いです。
メリットやいい点だけを説明されて納得しないでくださいね。その程度の説明はマニュアル化されてるので。
専門的なことをあなたが理解するかどうかは別として、いい家を求めて細部まで検討しているかどうか、そういう真摯な姿勢をもった会社かどうかを見分けてください。
ただし、信頼できる会社かどうか、と、あなたの価値観に合った家を提供しているかどうか、は全く別問題です。話を聞いて感動して「ここなら信頼できる!」と勢いで決めないでくださいね。