家を建てるための土地探しをしていると、相場より金額が安い土地が時々あります。
そういう土地は何かしらのデメリットがあって買い手が付きにくいから相場より安くなるわけです。
土地のデメリットはいろいろあります。
駅からの距離とか日当りとか間口が狭いとか。これらは一般の人にもわかりやすいデメリットですが。
建築法規的にみて要注意だなっていう土地があります。
狭い道路に接している土地と、がけに接している土地です。
この2つは法律の制約によって建物形状と配置に大きく影響します。
<狭い道路に接している土地>
道路に接している場合、道路斜線という規制があって建物高さに影響を与えます。道路幅が狭いほど不利です。2階の面積を小さくしないといけない、天井を低くしないといけない、といったこともありえます。
土地が狭いので総2階にしないと要望がみたせないのに2階を広くできないとか、太陽光パネルを南向きに載せたいのに屋根の希望の屋根にできないとか。そんなことも考えられます。
道路斜線を緩和できる「天空率」というものがあるのですが、それをチェックするのは通常の設計業務に手間がプラスされるので設計料が加算されることもあるかもしれません。
<がけに接している土地>
愛知県では2m以上のがけに隣接していると、がけの高さの2倍の距離を離して建てないといけない、という条例があります。これを「がけ条例」といいます。条例なので各自治体によって多少内容が変わります。
当然、建物配置に影響を与えます。本当はもっと隣地に寄せて建てたいのに中途半端に空けて配置しないといけないとか。
特殊な基礎工事をしないといけないとか、コンクリートの擁壁をつくらないといけないとか、費用がかかることも考えられます。
2mの高さがあってもコンクリートの擁壁があればいいと思っている工務店の監督さんなんかは多いですが。30年前くらいの擁壁だとひび割れていたりはらんでいたりして安全性に問題があるものもあります。そうなると擁壁のつくり替えになりますが、それだけで高額になるかもしれません。
中には、今まで住宅が建っていたところを建て替えるので問題ないと思っていても、実は規制に引っかかる、今まではなぜか見逃されていた(気づかないでいた)ってこともあります。
土地にデメリットがあると相場より安くなるという金額的なメリットはありますが、
そのデメリットのために建物を建てることにどう影響するのか、そのための費用的な負担はあるのか、それを購入前にきちんと把握する必要があります。
デメリットを回避するための設計上の工夫が、自分たちの希望する家にとってデメリットじゃないなら、
その土地はあなたにとってお買い得な土地です。
土地のデメリットが吉と出るか凶と出るか、建築士に相談してくださいね。
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