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20年後に古くて汚い家と古くて美しい家

お客様にお会いするのにご自宅に訪問したり、リフォームの相談を受けるときなど、結構な築年数たった家に伺うことがあります。

壁のクロスがビリビリだったり床がギシギシいうような家もあれば、どっしりとして時の流れを受けとめているような面構えの家もあります。

以前、ご実家の横に新居を建てるお客様のところに現場監督と訪問したことがあって。ご実家が築80年くらいなんですけど、傷んでいるところもそれほどなくきちんとした家でした。

地方の元々農家だった家にありがちな、和室がならんで縁側があって奥に台所があるような、特に豪華でも凝ってるわけでもないけれど大工がきちんと時間をかけてつくったと思われる家です。

おそらく、屋根は定期的に葺き替え、日々きちんと掃除して汚れをためず、家を丁寧に扱って暮らしてきたんだろうな、そんな家です。

強く主張するわけではないけれど、しっかり見守っている、そんな風貌の家。

いい家だね、この家の横にふさわしいちゃんとした仕事しないとね、現場監督とそんな会話をしたことを覚えています。

こういう家に出会うことが時々あります。古くても美しく存在している家に。

美しいというのはデザインとか装飾とかという意味合いではなく、「きちんとしてる」という言い方があってるかもしれません。あ、でも結果的にこういう家はデザインも考えられてるからそこも美しくあるんですけど。

古くても美しい家になるために必要なのは、作り手の腕や使う材料も重要なんだけど、何よりもそこに住まう人の意識です。

そもそも、いい腕の作り手を選ぶのも、その作り手がいい材料を使うことができるのも、その家の主がその選択をしなければ成り立たないのです。

そして、その主の心意気に応えようとする作り手たちの心意気。それらがすべて揃ったとき、「いい仕事=いい家」はでき上がります。

経年劣化と経年変化、この違いがわかりますか?

時間の経過で古くなって質が劣化するもの、時間の経過で色や素材感が変化はするけど素材として劣化ではないもの。

残念ながら、今のほとんどの家づくりは経年劣化する家です。完成した時が一番キレイで後は劣化の道をたどる家です。クロスがビリビリになり床の表面が剥げていくような。それを取り去り新しいものに替えるしか手立ての無いものでできています。

自然素材といわれるものの良さの一つは、経年劣化ではなく経年変化で味わい深くなることです。

でもそれも、住まう人次第。

完成した時が一番小綺麗な家と、住む時間を経て美しさが増してオリジナルな存在になる家と。

時間をかけた家づくりは家の存在価値を高めます。そういう想いを実現できるような家づくりをしている作り手はそんなに多くはありません、でも確実にいます。そういう人達のこと、もっと知ってほしいと思います。

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