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物を捨てる、過去を捨てる

6年くらい前、ある物をどさっと捨てました。

ずーーっと、捨てられない物でした。捨てるつもりのない物でした。がんばった証、お守りのようなもの。これを捨てるのは自分の努力を捨てるようで心が痛い。そう思っていたもの。

一級建築士に合格するまで3年間勉強してきたテキストやノート。

それをずーーーっと、とっておいてました。捨てるつもりもなく、お守りのようなものでした。

勉強してきた3年間は、人生であんなに目標に突き進んだことも集中したことも勉強したこともない、自分の頭脳がMAXに働いていた、そんな3年間でした。仕事も当然ふつうに残業して帰ってきてご飯食べたらすぐ勉強して、文字通りまぶたがくっつきそうに眠くなる瞬間まで勉強して、仕事が休みの日は学校行って。そんな、3年間。

本当に、「楽しかった」。あんなに充実した日々は二度とないでしょう。

その証の教材やノート、ダンボール1箱、これは捨てられない、そう思ってました。

それをある時「もういらないじゃん」ってあっさりと捨てました。

それは、独立する、と決めたから。

過去のがんばった自分、過去の栄光、でもそれは過去のこと、それはそれ、今からは今からのこと。

物をとっておくからといって過去の栄光を大事にしてるというわけじゃないし、がんばった事実は私自身のなかにあること、物は関係ない。

この経験が、かたづけ、ということの効果を実感したできごとです。それまでもかたづけることは苦労なくできてたけど、何か特別なこととは思ってなくてましてや講座するとか人の家をかたづけるとか興味もなくて。

物を捨てられないのは、過去への執着か未来への不安です。

その物自体を大事にしているというより、気持ちの問題です。その物を持っていることで何かしらのよりどころにしてるんでしょうね。

その物を手放したと想像した時に何を感じるか、それはあなたが今乗り越えたい課題かもしれません。

天気のいいさわやかな一日、いろいろかたづけながらそんなことを考えてました。

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