よつば暮らしデザイン室

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Monthly Archives: 5月 2019

地震に強い家をつくるために必要なこと その2

以前こんな記事を書きました。

「地震に強い家をつくるために必要なこと」

では具体的にどういう間取りだと強度が弱くなるかというと、ポイントを2つあげてみます。

【①2階の柱と1階の柱の位置がずれているところが多い】

2階の柱と1階の柱が同じ位置にある割合を「直下率」といいます。

こんな間取りがあるとします。左が1階、右が2階です。吹抜けがあるとか極端なL型とか、特殊な形状ではありません。(玄関ないから実際はおかしいけど。)20帖あるLDKって憧れますよね。ウォークインクローゼットもある!

これの何がだめなのかというと。

これが直下率を計算したものです。紫色が1階と2階の柱が一致するところ。

左のオレンジ色の枠の中を見てください。柱直下率46.8%、壁直下率45.5%。どちらも50%をきっています。このCADソフトでは黄色の「注意」で表示されます。

この間取りでもおそらく耐震等級3にしようとすればできると思います。(外観にもよりますが)

とにかく、この赤丸のところに柱がないのは厳しいですね。2階に壁がありますから。2階から伝わってくる荷重を受ける柱が無さすぎる。

柱はなんで存在しているかというと、上からの荷重や力を下(地面)に伝えるためです。ここの柱が無いということは地震が起きた時に地面に力が逃げずにここでクシャっとなってしまう可能性があります。

熊本の地震の時に、今の耐震設計の住宅でも倒壊したものがあったというのはこういうことでした。

【②壁のバランスが悪い】

全体的に見て、1階は図の下のほうは柱と壁が少なくて上の方に集中してますね。柱と壁が少ないところ=耐力が弱いところです。

木造在来工法の場合、理想的には、ほどほどに強い壁が全体的にあることです。全体の数値を満たすために、柱と壁が少ない弱いところができると柱と壁のあるところに強い壁を持ってこざるを得なくなります。弱いところと極端に強いところができるわけです。建物全体の数値は満たしていても、弱いところがあると地震の時そこから崩れる可能性があります。

全体の数値を満たすこと、そしてバランスも大事ということです。

 

日頃から計算をしている建築士は、間取りを考えながらこういうことも考えてます。そして、お客様の要望を聞いているうちに、「この人の要望を満たすためには弱いところができそうだな」と勘が働きます。

そうすると、間取りをつくりながら計算もして確認しながら進めていくことができます。「こういう理由で構造耐力が弱くなるのでこうしたほうがいいです」と説明しながら間取りを決めていくことができます。

もっと言うと、標準的な計算ではなく本格的な構造計算が必要だな、と判断します。(構造計算はもっと専門的な建築士が行います。費用と時間が通常よりかかることが多いです)

間取りが決まってから「じゃあこれで計算してください」では遅い、ということです。

 

家づくりには様々な考え方があって、いろんな立場の人がいます。建築士として設計をしている私と、長年現場でつくってきた現場監督では経験も考え方も違います。「誰もが認める一つの正解」は存在しない世界です。

デザイン優先の人、素材優先の人、工法優先の人、得意分野もさまざまです。

違う立場の専門家が見て不足を補うことで、より安心安全な家づくりが広まって欲しい。そう思って私は家づくりのセカンドオピニオンをやっています。

間取り診断もやっています。ファーストプランが出た時点で間取り診断を受けることをおすすめします。たぶんファーストプランでは、お施主様の要望も施工者側の設計趣旨も表れているでしょうから。気を付けたほうがいいところ、が見えてくると思います。

何度もいいますが、間取り決まったから計算してね、では遅いです。

 

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迷って進まない人に私が心がけていること

前回のブログで「なかなか決められない人」のことを書きました。こういう人にどう対応するか、書いてみたいと思います。

私のやりかたは、私のスタイルを全面にだして「これこれこうだからこれがいいですよ!こうしましょう!」って推すタイプじゃなくて、お客様自身の考えを引出すタイプなので、丁寧に話をきいてお客様が納得するまで迷うことにつきあう、ってこともありました。

正直言って、ここまでつきあうのはハウスメーカーじゃ無理だと思います。回数決まってたりしますからね。何回以上は追加金額いくらです、って契約もあったり。物件数を多くすることが優先のメーカーさんはひとりのお客様に長く接することはあまり好ましくないですから、仕方ないことです。

じゃあ私がなんでもお客様の決められないことに延々と付き合うかといえば、さすがにそうではありません。

「お客様に寄り添います」ということは必ずしも「一緒に迷います」ではありません。

迷うんだったら、迷っていることを納得できる形で解決に導く、押しつけたりあせらせたりするのではなく導く、というのが私の目指すところです。

お客様との打合せで意識していることがいくつかあります。

①決めるための準備をしてもらう
②決め方を教える
③迷っていることの情報を整理する
④ゴールを意識させる

①は、この先のスケジュールを示していつまでにこれを決めるのでこれを考えておいてください、とか、世の中にこういうものがあるので目を向けてみてください、とか。次々とやってくる決めなきゃいけないことをいきなり「さぁ決めてください」って1週間前にいってもそれは無理なので、だいぶ前から意識をむけていただきます。

②③は頭の整理をしてもらうって感じでしょうか。とっちらかってることを論理的に整理して、これはこうだから暮らしはこうなります、これとこれはこうだからどちらかに選んだほうがいいです、これよりこっちのほうが○○さんには向いています、とか。論理的思考の私の得意とするところです(笑)

④これが一番大事!③で論理的に整理して「あなたにはこれがいいですよ」を言うためにはお客様自身が自分のゴールがわかってないと言えません。っていうか、こちらが言ったところで納得してもらえません。

ところが、これがすぐ行方不明になっちゃうんですよね、迷う人っていうのは。目の前のことにすぐ流されるから。

前回のブログでも書いたけど、これが全然ずれるような要望を次々言ってくる人というのは「何がしたいのか自分でわかってますか?」と言いたくなります。

こういう人にはハウジングコーチがほんとうに必要。お客様自身の言葉でゴールを決めるから。決めたゴールを最優先にしないとお客様自身が後々納得できなくなりますよ、って説明できるから。

迷う前に目指すところを決めておく、っていうのは本当に重要です、何事も。

 

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家づくりで決められなくて困る人と困らない人の違い

何か物事を選ぶ時にいろいろ迷って決められないってこと、誰にでもあると思います。

家づくりは選択することの連続なので、迷って決められない人は本当になかなか先に進みません。

ただ、迷って決められない人といっても大きく分けると2パターンあって、こちらがあまり深刻に困らないタイプと、ちょっと大丈夫かなと心配になるタイプがいます。

困らないタイプの人は、自分が目指す「こんな感じ」がある程度わかっていて、それに合うもの、自分が持っているイメージに近いもの、それを探しているって感じがします。こういう人は「もっとこうがいい」「ここがこうなってるほうがいい」とこちらの提案に対してのダメ出しが明確です。

そのように言われれば対応するこちらも、だったらこうしようとか、あれならいいかな、と次の手が思いつきます。

ところが、心配になるタイプの人は目指すところが本人にわかっていないので行き当たりばったりです。前回はOKだったことが次の打合せでは全く違うことを言ってくるとか、誰々がこういうけどこれどうなんでしょうとか、それをやったら前回言われて変更したことができなくなっちゃうよってことを言ってくるとか。

木を見て森を見ず、です。

目の前の一つ一つで迷って前に進まない、横に移動してる感じです。

こういうタイプの人はかたづけも苦手だろうなぁ。選べないから捨てられないだろうし、良さそうにみえるものに手をだすだろうし。

「決められない」といっても、もっといいものが欲しくて納得できないという「決められない」と、何がいいのかわからないからいつまでも「決められない」、では結果がずいぶん違いますね。

もっといいもの・・・といって決められないことが良いわけではないけれど。

ある程度要望をいえばぴったりの素敵なプランができるんでしょ、プロなんだから、と思っているかもしれませんが。

目指す方向が見えない人に「ぴったり」とはどんなものなのか、進む道が見えなければそこに合うものを差し出すことはできません。

これもいいし、あれはどうなの、こうしたらどうなるの、いつまでもそれを言ってくる人はどこを目指してるのか本当にわからない。

それから、応用力というか臨機応変さというか、ある程度は自分の創意工夫で補うことも必要です。

注文住宅なら全てを最高に最適にできると思っていたら大間違いです。物理的に並び立たないこともいくらでもあるし、面積やお金っていう条件もあります。

これがこうなってればあとは自分で何とかできるかな、っていう能力も生活を快適にするためには必要ですよ。

ハウジングコーチは家づくりのためのコーチングで、ネガティブなことを解決するような質問はしないんですけど。時々、この人はハウジングコーチじゃないコーチングが必要だな、って人もいらっしゃいます。

他のことでも迷うんだろうなぁ、こういう人は。