よつば暮らしデザイン室

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Category Archives: 家づくり・性能

日本の家はなぜ寒いのか

寒くなってきましたねー、11月になっても暖かい日が続いてたけど、確実に冬が来てるなと実感します。

私は寒いことがとにかく苦手で寒さに体が耐えられないので、寒いというだけで体も脳みそも能力が激減します。おまけに機嫌も悪くなります。お腹すいて機嫌悪くなる人いるけど、あんな感じです。

冬眠したい。これから寒さが続くなんてこの冬乗り切れるかしら、って毎年この時期思います。

 

日本の家は「夏を旨とすべし」というのは吉田兼好の徒然草ですが、この言葉だけがなんだか一人歩きしてる気がします。

そもそも、昔の人は寒さはガマンするものと考えてたと思うんです。

採暖っていいますよね、暖をとる。どういうことかというと、火鉢とかこたつとか手や足で部分的に温かさを「感じとる」のが日本の冬の対策でした。

部屋全体を温める、という発想じゃないわけです。

日本より寒さがきびしいヨーロッパでは部屋全体どころか家全体を温めようっていう発想で家づくりを考えているので、そもそもの出発点が違うなーって思います。

ようやく日本でも家全体を暖かく、という発想の家づくりになってきました。

ただ、どこまで断熱性能をたかめるか、というのは金額的なことや「そこまで暖かくしなくてもいいのでは?」という考えもあり、必ずしも家を建てる人が高断熱高気密をのぞんでるわけじゃないなーって言う気もします。

ただ、そこそこの断熱性能にすると結局ファンヒーター使ったり各部屋にエアコンつけたりして光熱費がそこそこかかり、そこそこ建築費を上乗せした割には光熱費が激減するわけじゃなく、ライフサイクルコストが安くならないってことになりかねないな、とも思います。

それと、冬のエアコンは灯油のヒーターより高くつく、と思っている人いますが、逆ですよ。コストでいったらエアコンがお得です。暖かさの感じかたが違うので好みはあるけれど。

 

 

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暑さ寒さはガマンするもの?

猛暑が続いてますね・・・、暑いのが得意でエアコンが苦手な私もさすがにエアコン無しでは眠れません。

暑ければエアコンで涼しくする。

それを当たり前に思うかもしれませんが、そもそもエアコンをつけなければいけないほど家の中が暑いことが問題なのです。

日本の住宅は欧米に比べると圧倒的に暑さ寒さに弱いです。夏暑くて冬寒い住宅です。

日本は工業製品や科学技術は先端をいくのに、建築の温熱環境については完全に後進国です。

ヨーロッパはどちらかというと寒さが厳しいので冬の寒さ対策=高断熱化が進んでます。

それだけでなく、日本ではほとんど普及していないセントラルヒーティングが多いです。セントラルヒーティングとは1か所の熱源で家全体を温めるというもの。

日本は局所冷暖房が基本です。人がいる部屋だけ冷暖房するというものが局所冷暖房。

歴史的に見ると一部屋どころか、コタツとか火鉢とか部屋を暖めるにもならないような暖房で過ごすほどです。

なんとなく日本人には根底にこの考えがあるような気がするのです。

『暑さ寒さはがまんするもの』

学校にエアコンをつけるべき、という意見に対して一部のオジサンが「昔はガマンしたものだ」「子供はガマンするものだ」などと言って非難されてるようですが。

それに近いことが住宅の世界でもおきています。

高断熱高気密住宅といわれるものがあります。CO2削減や低炭素社会の観点からも日本の住宅は制度としてどんどん高断熱化しています。20年ほど前までは北海道や東北の寒冷地の仕様が今は関東中部関西でも高断熱高気密住宅として建てられるようになっています。

高断熱高気密住宅は、暑さ寒さのストレスを感じずに家中を快適にする、というのが目標です。

それに対して、北海道並みの仕様が温暖な中部地方で必要なの?高断熱はいいけど、そんなにしなくてもいいんじゃないの?

という意見もあるのです。

特に、自然派住宅系の会社は多い気がしますね。高断熱高気密に異を唱えるのは。

断熱材で覆って機械換気することが自然とはいいがたいのかもしれません。

あとは、家の性能に対して無頓着なローコスト系とか不動産系の人たちとか。

 

私は、高断熱高気密にすることで環境負荷が減ると思っています。

暑さ寒さはその場で体感しないかぎりわからないので、暑さ寒さのストレスのない家のメリットは伝わりにくいんですよね。

一番よくないのは理屈を理解せずに時代の流れに任せて安易に採用することです。中途半端にお金がかかるわりに適切に使われないから費用対効果が悪くなる。

きちんと理屈を理解して最適に使えば環境負荷も減り人にも優しい快適な家になるはずです。

 

「いい住宅」の数字的根拠は示せるのか?

家づくりをしようとしている人たちで構造強度を気にする人は多いですが、

それだけじゃなくて断熱もだいじですよー、っていう話をいつもしているのですが。

正確に言うと断熱じゃなくて、温熱環境が大事、でした。

何が違うの???って思いますよね。

「体にいい食事」って考えたとき、塩分の取り方だけで体にいいと言えますか?違いますよね?野菜や肉をバランスよくとか、油を使い過ぎないとか、食べる時間とか。

いろいろな要素をうまい具合にとりいれて最終的に「体にいい食事」ってなるわけです。

断熱だけちゃんとしていても他が適当だと最終的に温熱環境はコントロールできずに快適性は対して保たれずに冷暖房費がかかってしまう。

いい断熱材入れたのに、そこにお金かけたのに、費用対効果が得られない、ってことになってしまう。

断熱、温熱環境、気密、換気・・・。家づくりにおいてこのあたりをどう設計するか、その手法は入り乱れてます。あちらを立てればこちらが立たず、というようなことや、コストのことや、施工性のことや、いろいろあって一概にこれがいいといいきれない分野です。

今日はその答えを導き出す方法を学んできました。

松尾設計室の松尾和也先生。

大学教授とかメーカーの研究員じゃなくて一介の建築士でここまで調べて理論を構築することはそう簡単にできることじゃないと思います。

講義中いろいろな名言があったのですが、

「勘が働くとは数字やデータの裏付けがあってこそのもの」

木造住宅の世界は「経験値」でつくられていること、周囲や業界の慣習、法律や制度で決められて計算、これらを元に「これなら大丈夫だろう」という感覚でつくられていることが多いです。

工業製品や自動車業界の設計やってる人から見たらとんでもないアバウトさです。

精密機械並みの正確さを木造住宅に持ち込むこと自体がおかしい、1棟1棟を現場でつくる家づくりとはこういうものだ、という意見が業界にはあります。

でもさ、それって業界人の都合のいい言い訳なんだよね、お客様のためじゃないんだよね。

ハウスメーカーを毛嫌いする工務店の人は多いですが、ハウスメーカーは研究だけをしている人というのが存在するんですよ。日々の現場やお客様対応の合間に性能や工法を考えてる工務店とは研究にかけてる労力が違う。(だからといってハウスメーカーが全て正しいことやってるわけではありません)

敷地の状況を数値化して温熱的に最適な配置を考え、外部の気温の変化をうけないようにして、日射の効果を効率よくとりいれ、室内の空気の状態を制御して、冷暖房費も節約できる。

これらが全て根拠のある数字から計算できて判断できる、というのが今回学んだことです。

その結果、季節を問わず暑さ寒さをがまんせず光熱費も抑えて快適な暮らしをお施主さんに届けることができる。

建築士は芸術家ではないので哲学や思想の前に知識や理屈を根拠にデザインすることが必須だと私は思っています。

日々の探求と学びは果てしないな・・・・。